大規模言語モデルが見せる動物への種差別的偏見

論文概要

 

種差別とは特定の生物種に属しているかどうかに基づく差別である。本研究では、大規模言語モデル(LLM)において種差別的なバイアスが見られるか、また動物がどのように評価されているかについて検証する。

研究では以下の3つのパラダイムを用いた:「SpeciesismBench」は種差別的な表現を検出し、倫理的な観点から分類するために開発されたベンチマーク・テストで、1009項目の言語表現から構成されている;標準的な心理尺度を用いてLLMのモデルとヒトで応答を比較する;テキスト生成課題では、種差別を正当化する態度が見られるかどうかを検証する。

LLMは種差別的な表現を確実に検出できたが、これらを道徳的に許容できるものと分類することが多かった。心理尺度で見た場合、LLMでは「動物は重要ではない」と明確に答える傾向は人間ほど頻繁ではなかった。しかし、具体的なジレンマ状況では、複数の動物よりも1人のヒトを救うことをより強く優先していた。こうした選好の態度は、ヒトと動物の認知能力が同等であるものと設定した場合には消失した。テキスト生成を求める課題では、LLMは畜産動物に対する危害が普通のことであると繰り返し回答したが、それ以外の動物に対する危害についてはそうした態度を拒否した。

以上の結果は、動物の搾取という文化的規範をLLMが内包していることを示しており、AIの公平性を考える際にはヒト以外の道徳的主体を含めなければならないことを示唆している。

 

原文タイトル:Large language models exhibit speciesist bias against animals

論文著者:Monika Jotautaitė, Lucius Caviola, David A. Brewster & Thilo Hagendorff

公開日: 2026/05/09 

論文URL:https://doi.org/10.1038/s41467-026-72297-9

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