植物性ミルクは牛乳の売上を減らす? アーモンドミルク・ブームの検証

Does plant-based milk reduce sales of dairy milk? Evidence from the almond milk craze

Peter Slade

2023/01/03

https://doi.org/10.1017/age.2022.22

論文概要

 

近年、肉や乳製品に代わるプラントベースの代替食品の売上が大きく伸びている。しかし、こうした代替食品によって実際に畜産製品の売上が減少しているのか、明らかにされていない。本稿では、畜産に由来する製品の一つである無調整牛乳と、その代替品である植物性ミルクとの売上の関係を検証する。

2004年から2018年までの米国の消費者(各年で約60000世帯)からのデータを用いた分析では、植物性ミルクの販売量が1ガロン(3.8リットル)増加すると、牛乳の販売量は0.43~0.60ガロン(1.6~2.3リットル)減少した。このような牛乳と植物性ミルクの購入における相反関係は、調査の初期に牛乳に多く支出していた世帯で最も顕著だった。一方、2009年から2018年にかけて植物性ミルクの販売量は急激に増加しているが(世帯当たり0.95ガロン)、牛乳の販売量の減少幅はそれより遥かに大きく(世帯当たり8ガロン)、これらの変化は牛乳と植物性ミルクの相反関係だけでは説明できない。

 

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