見直される自然放牧の在来種鶏:鶏の福祉に関するイタリア消費者の理解と卵の購入行動に関する調査

論文概要

 

背景: 鶏卵生産では従来型のケージ飼育が多くの地域で用いられているが、動物福祉に対する消費者の意識の高まりにより、ケージフリーや放し飼いへの移行が進んでいる。イタリアでは、消費者が卵の購入を決める際に飼育方法や鶏の福祉がますます重視されるようになりつつあり、環境の持続可能性や生物多様性に寄与するという観点からも在来種の鶏に対する関心が集まりつつある。本研究では、高福祉の放し飼いシステムで飼育された在来種の鶏から生産された卵について、イタリアの消費者の認識や態度、知識について調査した。卵の消費者を対象としてコンピュータ支援型ウェブインタビュー(CAWI)によるアンケート調査を計画し、ソーシャルメディアを用いて実施した。

結果: 調査で得られた回答は1,222件で、回答者の多くは女性または75歳未満であった。2つの主要な問題を設定し、「動物福祉」と「鶏の福祉」に関する消費者の関心を評価した。記述統計の結果からは、回答者の27.5%が動物福祉を考慮しているとしており、61.2%が卵を購入する際に鶏の飼育方法を「頻繁に」または「常に」考慮するとしていた。

計量経済学的手法を用いた分析から、参加者は動物福祉が卵の品質の向上につながると考えていることが示唆された。こうした正の相関は統計的に有意であり、オッズ比が最も高かった。一方、世帯の人数が増えるほど動物福祉への関心は低下する傾向にあり、また肉食の習慣は動物福祉への関心の低下と関連していた。これらの負の相関は統計的に有意であった。同様の傾向は「鶏の福祉」に関しても見られたが、農業・食品分野での就学や就労の経験とは関連していなかった。

在来種に関する消費者の意識にはいくつかの特徴があり、これらを特定し重要度を順位付けするうえでステップワイズ法によるロジスティック回帰分析および人工知能(AI)を用いた分析が極めて有効であった。動物福祉と品質の関連性は、こうした消費者が卵を購入する際に最も重視する要素であり、消費者はより高い価格であっても適切な飼育環境で育てられた鶏や在来種の鶏から生産された卵を購入する意思を示していた。

結論: 本研究では動物福祉や鶏の福祉、卵の生産方法に対する関心が高まりつつあることを明らかにした。鶏の福祉と在来種鶏に関する認識には文化的側面があることから、政策立案では畜産慣行や在来種に関する情報提供を推進する必要があり、これは同時に遺伝学的遺産としての在来種の保護に繋がるものである。

 

原文タイトル:Rediscovering local breeds of naturally free-range hens: a survey on Italian consumers’ awareness of hen welfare and egg purchasing behavior

論文著者:Elena Gosso, Greta Falavigna, Valentina Lamonica, Cristina Lamberti, Simona Cirrincione, Laura Cavallarin, Maria Gabriella Giuffrida, Achille Schiavone

公開日: 2025/10/21 

論文URL:https://doi.org/10.1186/s12917-025-04971-x

別のFACTを探す