肉を食べることは、食用動物の道徳的地位と心を否認することにつながる

論文概要

 

人々は肉を好んで食べるが、動物を傷つけることには反対している。この葛藤を解決する方法のひとつとして、動物に対する道徳的関心を引き下げ、動物に苦しむ能力があることを否認することがある。

この可能性を検証するため、参加者に乾燥牛肉または乾燥ナッツを食べたあと、動物に対する道徳的関心がどれくらいあるかを答え、さらに牛にどのような道徳的地位と精神能力があるかの判断を求めた。

肉を食べた場合、広く動物に道徳的配慮を示すべきだという義務感は低下し、牛に対して認める道徳的地位のレベルも低下していた。また、(牛に)苦しみを経験する精神能力があることに対する認識も間接的に低下していた。

人々は、動物には価値がなく感情がないものと認識することにより、肉を楽しむこととアニマルウェルフェアへの懸念の対立がもたらす葛藤から逃れているのかも知れない。

 

原文タイトル:The role of meat consumption in the denial of moral status and mind to meat animals

論文著者:Steve Loughnan, Nick Haslam, Brock Bastian

公開日: 2010/05/19 

論文URL:https://doi.org/10.1016/j.appet.2010.05.043

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