食肉消費のピークは近づいているのか? 35カ国における2000年から2019年までの食肉消費量と国内総生産の関係

Are We Approaching Peak Meat Consumption? Analysis of Meat Consumption from 2000 to 2019 in 35 Countries and Its Relationship to Gross Domestic Product

Clare Whitton , Diana Bogueva, Dora Marinova, Clive J C Phillips

2021/12/06

https://doi.org/10.3390/ani11123466

論文概要

 

世界の食肉消費は、繁栄の拡大とともに変わりつつあるが、それだけではなく、疾病のアウトブレイク、自然災害、消費者の嗜好といった要因によっても変化している。我々は、国連食糧農業機関と経済協力開発機構(OECD)でモニターされている35カ国における2000年から2019年までの食肉消費の動向を調査し、国内総生産(GDP)との関係も検証した。

このうち数か国では、肉の種類によっては消費量がピークに達しつつあると考えられ、特にニュージーランド・カナダ・スイスの3カ国では既にピークに達していた。鶏肉の消費量はほとんどの国で時間の経過とともに増加し、牛肉と羊肉・ラム肉の消費量は多くの国で減少していた。

クラスター分析を用いて、各国を2つのクラスターに分けた。その1つは、1人当たりGDPの増加と食肉消費の増加が一致している国々であり、もう1つは、1人当たりGDPの変化と食肉消費の間に関連性が見られない9カ国からなるクラスターである。その結果、1人当たりGDPが40,000米ドル付近に転換点が存在し、これを超えると経済的幸福が増大しても、食肉消費量の増加にはつながらないことが明らかになった。

 

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