2型糖尿病の成人における低脂肪ヴィーガン食の効果 16週間の臨床試験における異所性脂肪・インスリン感受性・β細胞機能の変化

論文概要

 

目的: 2型糖尿病の成人における低脂肪のプラントベース食の効果について、肝細胞と筋細胞に蓄積した脂質量・終末糖化産物・インスリン抵抗性・β細胞の機能に及ぼす影響を検証した。

研究デザインおよび方法: 25名の参加者に低脂肪のヴィーガン食を16週間遵守することを求めた。体組成の測定には二重X線吸収測定法、肝細胞および筋細胞の脂質の定量化には¹H磁気共鳴分光法を用いた。終末糖化産物については皮膚蛍光法を用いて組織内の蓄積量を測定した。インスリン抵抗性の評価には空腹時のホメオスタシスモデル評価(HOMA-IR)による指数を用いた。食後インスリン感受性の評価には予測インスリン感受性指数(PREDIM)を用いた。β細胞機能については、標準的な食事を摂取した後のC-ペプチド濃度にデコンボリューションを施した数理モデルにより算出した。

結果: 平均体重は6.0 kg減少し(95% CI -7.0~-5.1;p<0.001)、これはベースラインに比べて6.6%の減少であり(95% CI -7.5~-5.8)、その主な原因となっていたのは体組成における脂肪量の減少(4.2 kg)であった(95% CI -5.7~-2.7、p<0.001)。内臓脂肪は 290 cm3 減少し(95% CI -467 to -114; p=0.003)、肝細胞の脂質は33.0%減少していた(95%信頼区間 -48.7~-17.3;p<0.001)。終末糖化産物のスコアは0.4ポイント低下していた(95% CI -0.6~-0.2;p=0.002)。ヴィーガン食ではインスリン抵抗性の指標である HOMA-IR 指数に低下が見られ(-2.5、95% CI -4.1~-0.9、p=0.004)、wインスリン感受性の指標である PREDIM スコアは上昇していた(+1.3 mg/min/kg、95% CI +0.6~+2.1、p=0.002)。さらに β細胞機能のいくつかのマーカーにも改善が見られ、特に血糖値 6 mmol/Lから 7 mmol/Lにおけるインスリン分泌量、血糖値とその変化率に対するβ細胞の感受性、インスリン分泌の増強係数はいずれも上昇していた。

結論: 2型糖尿病の参加者を対象とした自己調節による低脂肪のヴィーガン食を用いた介入により、異所性脂肪が減少し、こうした変化は特に内臓脂肪および脂肪肝において顕著であった。インスリン感受性は改善し、終末糖化産物の減少、β細胞機能にも改善が認められた。

 

原文タイトル:Changes in ectopic lipids, insulin sensitivity, and beta cell function after a low-fat vegan diet in adults with type 2 diabetes: a 16-week single-arm clinical trial

論文著者:Hana Kahleova, Kitt Petersen, Gerald I Shulman, Tatiana Znayenko-Miller, Sylvie Dufour, Haley Brennan, Cristina Maracine, Andrea Tura, Richard Holubkov, Neal D Barnard

公開日: 2026/10/08 

論文URL:https://doi.org/10.1136/bmjdrc-2026-006472

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