論文概要
(Paper Interpreter (Japanese) による要約)
Abstract 世界中で、さまざまな分類群にわたる前例のない減少が報告されている。最もよく文書化されているのは鳥類の個体数の減少であり、その多くは森林伐採などの人間活動に起因している。アマゾンなどの比較的未開の低地熱帯林内の地点でも鳥類の個体数が減少しているという証拠が増えている。この研究では、エクアドル東部のアマゾン低地林の2つの100ヘクタールの研究プロットで、22年間にわたる鳥の個体数の変化をミストネットデータと直接観察を用いて調査した。捕獲率は2009年以降大幅に減少し、観察率も2013年まで大幅に減少したが、その後は一定の傾向を示していない。全体的な捕獲率と観察率は現在、最初の10年間の約半分となっている。ほとんどの摂食ギルドも時間とともに減少し、特に昆虫食のグループで顕著であった。ほとんどの共通種の捕獲率と観察率は研究後半で低下し、少数の種のみが増加を示した。このような減少はパナマやブラジルなどの他の熱帯地域でも観察されており、大規模な要因、例えば気候変動への反応を示唆している。
Background 鳥類や他の生物は、地域や時間によって分布や個体数が変動する。長期的な個体数の減少は懸念材料となる。多くの減少は人間の干渉、気候変動、農薬使用などに起因している。大規模な未開地でも個体数の減少が報告されており、気候変動の影響が疑われる。
Methods 研究はエクアドルのティプティニ生物多様性駅で行われ、2つの100ヘクタールのプロットで2001年から2022年までミストネットと直接観察を用いて鳥類をサンプリングした。捕獲データはミストネットでの捕獲数を基に、観察データはトランセクトを歩きながら記録した。
Results 捕獲率は2009年以降急激に減少し、観察率も2013年まで減少したが、その後は安定した。全体の捕獲率と観察率は最初の10年間の約半分となった。昆虫食の鳥類で特に顕著な減少が見られた。
Discussion 鳥類の個体数の減少は、局地的な要因ではなく、より広範な要因に起因している可能性が高い。気候変動が主要な要因として考えられ、特に昆虫食の鳥類に大きな影響を与えている可能性がある。
Novelty compared to previous studies この研究は、比較的未開のアマゾン低地林における長期的な鳥類の個体数変化をミストネットと直接観察の両方を用いて調査した初めての研究である。
Limitations 正確な減少の原因は特定されておらず、気候変動や昆虫個体数の減少が考えられるが、さらなる研究が必要である。
Potential Applications この研究は、大規模な未開地における鳥類個体数の変化を理解するための基礎データを提供し、保全対策の計画に役立つ。
原論文著作権情報:This is an open access article under the CC BY-NC license (http://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/).
John G. Blake, Bette A. Loiselle
2024/03/15
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