アニマルライツセンター学生部は2024年2月1日〜2日の2日間、「やまなしアニマルウェルフェア認証制度」の実態や成果を調査するため、山梨県で訪問取材を行いました。 民間企業の「旅の駅」、山梨県庁、放牧養豚農家の「ぶぅふぅうぅ農園」に訪問し、企業経営、行政、生産者の観点から話を伺いました。旅の駅では、経営の観点からアニマルウェルフェア(以下AW)食品必要性や、消費者からの需要について話を伺いました。旅の駅は地産地消、地域活性化に注力し、持 続可能な地域づくりを目指す企業です。山梨県のお土産品というだけではなく 、サスティナビリティという観点も踏まえた環境や動物や、人に優しい商品を、地元の企業や生産者と連携して取り扱っており、その中に「やまなしアニマルウェルフェア認証」取得商品もありました。 SDGsの観点からもAWは、17の目標の2、3、6、8、12、13、15、16と深く関係しています。様々な企業において、AWが「質の高い安全な食品」という高付加価値化を可能に出来るものであり、有力な販売戦略の一つとして考え始められていることを目の当たりにし、 経営の観点からもAWが必要とされ、 それが周知されていることは大きな進歩であると感じました。その一方で、消費者からの需要は依然低いままのようです。 畜産物に対する消費者の購入基準が「価格重視 (安いもの)」ではなく「AW食品である こと(高品質で妥当な価格)」に移り変わってほしいと強く感じました。SDGs がこれだけ浸透しているように、AWも持続可能な未来の為の重要項目 に含まれて欲しいと思います。山梨県庁では、認証制度の成果 、これからの課題や方針について取材をしました。成果としては、認証制度取得商品が取得前よりも売れ行きが好調になった事があげられました。課題点は、まだまだ認知度が広まっ ていない事があげられました。これからの方針として、サプライチェーン内のレストランやホテル、小売店に認証制度のPRを行うなど、ステークホルダーへの認知度向上があげられました。地方自治体が主体となって社会問題への政策を行うことは重要な動きであり、AWの重要性を再認識すると共に、山梨県を筆頭に他の地方自治体にもこのような潮流が出てくるとAWが大きく普及するのではないかと感じました。やまなしアニマルウェルフェア認証制度を取得しているぶぅふぅうぅ農園では 、ぶぅふぅうぅ農園の歴史、時代の流れに沿った販売戦略の重要性、 認証制度ができるまでの経緯につい て話を伺いました。ぶぅふぅうぅ農園 は「2024年日本農業賞」で「特別賞」を受賞しており、地域循環型の畜産業を行っている点やAWの高い飼育 を行っている点が評価され、食・農関連で先進的な取り組みの1つとしてAWが評価基準に含まれたことは飛躍的な進歩だと思いました。畜産業のあるべき姿として、AWが周知される日が近づ いているように感じました。また、ぶぅふぅうぅ農園の豚たちは広大な土地を駆け回ったり、 人懐っこく私 たちに駆け寄ってきたりと、まさにwell-beingな状態そのものでした。農園長の中嶋さんの豚たちへの愛情に触れ、ワンウェルフェアを基盤とした持続可能な取組みは本当に大切であると改めて実感することができました。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Articleアニマルウェルフェアの認知度、25%へ:認知度調査2024 Next Article豚が暮らすための土地を購入しました:豚レスキュー 2024/04/06