2024年9月、Nature誌に「Farmed fur animals harbour viruses with zoonotic spillover potential(毛皮用に飼育された動物は人獣共通感染症の潜在的リスクのあるウイルスを保有」という論文が掲載された。タヌキ(ラクーンドッグ)やミンク、ムスクラットなどの毛皮に利用される動物の中で、疾病により死亡した461頭の毛皮動物の内部組織を調査したものだ。その結果は以下のとおりだ。36種の新規ウイルスを含む125種のウイルスが特定され、そのうち39種は種間感染リスクが高く、動物から人間への伝播(人獣共通感染症)リスクがある36も新規ウイルスが毛皮農場で発生していたことがわかっており、毛皮農場のような集約的な飼育がウイルスの格好の進化と繁殖の場であることを示している。7種のコロナウイルスも発見された。さらに、インフルエンザAウイルスの3つのサブタイプ(H1N2、H5N6、H6N2)も感染が確認された。豚由来のウイルスもあったという。言わずもがなだが、コロナウイルスもインフルエンザAウイルスも、過去に大規模なパンデミックを引き起こしてきたものだ。またHEV(肝炎Eウイルス)も検出されているが、人間では衛生環境の悪い場所で発生しがちのウイルスだ。リスクの高いウイルスの検出が高い動物はタヌキ(ラクーンドッグ)とミンクであったという。ラクーンドッグとミンク10種、モルモットが9種、ウサギとホッキョクギツネが6種類のリスクが高いウイルスを保有していた。中国全土で検出されているが、とくに毛皮農場の多い中国東部、とくに山東省でのリスクの高いウイルスの検出が多かったという。毛皮は終わりに流通する毛皮(リアルファー)の多くはいまは毛皮農場で集約的飼育で養殖された動物からきている。これが危険であることが明確に示された。毛皮を使い続けることは、あまりにも破滅的な行為だ。毛皮はもう終わりにすべきだ。すべてを。劣悪な環境で飼育されるラクーンドッグクリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article動物輸送の規制を!輸送業の無法状態許さない Next Article動物の未来FACTS:論文検索を容易にするWEBサイト 2024/09/25