ダウンは、鳥たちの胸から腹部にあるやわらかい羽毛です。
(c) VIER PFOTEN | R&D
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ライブハンドプラッキング(生きた鳥からダウンをむしる方法)
通常、生後12週ほどで初めてのライブハンドピックを行います。
鳥の翼や首を足の間に挟み固定し、胸から腹部のダウンをむしります。
その後6~7週間で、再び羽毛が生えそろい、次のライブハンドプラッキングとなります。続いて6~7週目で3回目のライブハンドプラッキング、と繰り返しライブハンドプラッキングが行なわれます。
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2009年に報道された、ハンガリーのダウン生産現場
羽毛をむしられ、裂けた体を麻酔なしで針と糸で縫われている様子や、むしられたあと地面にうずくまっている様子が撮影されています。
羽をむしられている間、鳥の血糖値が2倍に跳ね上がっているという調査報告もあるそうです。
ライブハンドプラッキング以外の、ダウンの生産方法として「マシーンピック」があります。マシーンピックは、食用の鳥を屠殺後に、機械でダウンを採取する方法です。
ライブハンドプラッキングとマシーンピックの、正確な割合は不明です。ライブハンドプラッキングが全体の1%未満だという報告がある一方、2009年のスウェーデンのドキュメンタリーでは、ライブハンドプラッキングの割合が、総供給の50~80%かもしれないと報告しています。
またダウンでは、屠殺前に、「フォアグラ」のための強制給餌でさらに苦しめられる鳥たちもいます。
鳥たちを苦しめないためには
お店でダウン商品を購入するとき、そのダウンがどのようにして採取されたのか、私たちが知ることは困難です。
ファッションメーカーのパタゴニアでさえ、「いまだに生きた鳥から摘まれたのでもなく、フォアグラ用でもないダウンを提供できるサプライヤーは見つかっていません」といっています。
※その後パタゴニアは、綿密なトレーサビリティをおこない、2014年秋からの商品はすべてライブハンドピッキングも強制給餌もされていないものにすると発表。
H&Mも、ライブハンドプラッキングも強制給餌も行われていないダウンを使用しています。
H&M GROUP:ANIMAL WELFARE &MATERIAL ETHICS POLICY
ユニクロも、2013年の秋冬商品からは、ライブハンドプラッキングも強制給餌も行われていないダウンを使用しています。
わたしたちは、ライブハンドピックもされておらず、フォアグラにもされなかった鳥から採取されたダウンを探して購入するという選択もできますが、より良い選択は、動物性のものを身に着けないという選択です。動物福祉に配慮された素材であっても最終的に動物が殺されることに変わりはありません。
いまは、ダウンやウールにかわる防寒具として、動物性のものを使用していないシンサレートやプリマロフトなどのハイテク素材があります。ダウンやウールよりも高機能で実用性の高いものです。
これらは、洗濯機で洗える、ほこりが立たない、ダウンより保温効果がある、無臭(動物性のにおいがしない)、軽い、ぬれてもすぐ乾くなど、多くの利点があり、動物の犠牲のないものです。
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