2021年、私たちアニマルライツセンターは、沖縄の動物保護団体クックハウスとともに、千葉県の闘鶏場の場所を突き止めました。中には約60羽ほどの軍鶏が木の檻に入れられて並び、その軍鶏の何羽かは頭全体が傷を負い、目がなくなっており、頭に縫い跡があり、クチバシが異常な状態で切られ、死体も放置されており、骨が転がっている檻もありました。10~20人が座れる場所があり、奥まった場所にある部屋には円形の囲いがあり、その周りに椅子が並べられ、座布団が並べられ、20人ほどで鑑賞できる闘鶏場になっていました。これらの情報を警察に提供し、2022年1月13日、警察と協力して傷ついた38羽のオスの軍鶏を保護しました。また、保護した軍鶏とツガイになっていたメスを1羽オーナーに許可を得て保護しました。闘鶏は違法オスの軍鶏を戦わせることは、動物愛護法違反で、罰則の対象になりえます。平成22年に環境省が出している飼育改善指導が必要な例(虐待に該当する可能性、あるいは放置すれば虐待に該当する可能性があると考えられる例)について(平成22年2月5日環自総発第100205002号) ではこの当時からすでに「動物を闘わせること」は虐待の対象に入っています。闘わせると必ずどちらかが怪我をするか死にます。この闘鶏場の円形の囲いの壁は血が飛び散ったあとが無数にあり、闘いの際に動物がひどい怪我を負ったことを示していました。まさに血まみれの壁でした。これは、2019年の動物愛護法の改正で罰則規定が具体化されたものの一つ「第四十四条 2愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、」の後者にあたります。オスの軍鶏2羽を同じ囲いに入れたら必ず、外傷を追ったり殺されたりします。例外なくです。そのため、闘鶏であろうとなかろうと、オスの軍鶏2羽を同じ囲いに故意に入れた瞬間、動物愛護法違反です。ルールをもたせて行う闘鶏場も報道されていますが、しかしこれも違法性が高いと言えます。なぜなら、時間を短くしたり、危なくなったときに人間が介入したりしても、オスの軍鶏は一瞬で相手の急所を突き殺したり目をつついたり頭に怪我を負わせることが可能だからです。人間のスピードでは間に合いません。クチバシを切ることは違法クチバシを切ることも動物愛護法違反です。クチバシを切れば痛みを伴いますが、これまでクチバシを切るために麻酔をかけたという話は聞いたことがありません。”切る”ではなく”削る”ことも同様です。とくに、闘鶏の場合、下の写真のような切り方がされていることがあり、これはあまりにも動物本来の習性を奪い、餌を食べることも難しくしてしまいます。適切な治療をしないことは違法動物愛護法44条にはこうも書かれています。「自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管すること」当該闘鶏場は、この全ての項目に当てはまっていました。負傷した軍鶏の適切な治療や保護はされていませんでした。頭の傷は獣医ではない素人が糸で縫った形跡があり、これはともすればその不適切な治療がもとで傷が悪化するでしょう。排泄物が堆積し、岩のようになっていました。軍鶏の死体や、骨が放置されていました。ダニとシラミまみれの場所に放置することは違法動物愛護法44条には、「みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、」という項目もあります。この闘鶏場のすべての軍鶏は過剰なダニに侵されていました。少しでも餌などに触れればダニが移るほど、繁殖していました。しかも、年中です。真冬であっても、体温で守られたダニとシラミが活発に活動していました。ダニとシラミに血を吸われつづければ、衰弱しますし、発熱することもあります。また、衰弱した個体にはより多くのダニが寄生しますので、より衰弱が激しくなります。違法ではなくても人間の健康も脅かす闘鶏場にいた軍鶏たちの中には、ガリガリで今にも死にそうな子もいました。畜産ほどではないにせよ、免疫力が低く衰弱死していくような動物、または衰弱死させられる動物が多数飼育されている場所です。それは、ウイルスの伝播を助けていく可能性があります。鳥インフルエンザがこのような不衛生でまったくもって管理されていないような場所から発生するかもしれません。が、、、発生しても報告すらなされないことは間違いないでしょう。闘鶏は全国でなくならなくてはならない闘鶏は遊びです。賭け事でもあります。違法賭博が絡むため、ほとんどが隠れてコソコソと行われています。そしてこの遊びは全国で行われています。すべてが違法です。なぜならオスの軍鶏を同じ囲いに入れただけで、動物は外傷をおったり死んだりするからです。アニマルライツセンターは行政への陳情、周知徹底に力を尽くしていきます。この隠れて行われる違法行為は、より強くメッセージを発信することと、間違いなく違法であることを周知徹底すること、そして、一般の人々の監視の目がなければなくなりません。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article吉川ひなのさん 「バタリーケージの卵を食べたくない」キャンペーン賛同メッセージ Next ArticleJGAPパブリックコメント募集-アニマルウェルフェアの水準を国際基準に近づけよう! 2022/01/16