世界で進むオスひよこ淘汰の禁止─ 日本は?

多くの日本人が毎日のように食べている卵。その裏で、日本では毎年1億羽以上のオスひよこが生まれ、その多くが殺処分されていると推定されます。採卵鶏のオスは卵を産まず、肉用にも向かないためです。

しかし、この問題を解決する方法がすでにあります。それは孵化前の卵のままで性別を判別する「卵内雌雄鑑別(in-ovo sexing)」技術です。孵卵後、胚が発達する前の段階で性別を判別できるため、生まれたオスひよこを殺処分する必要がなくなります。世界ではオスひよこ淘汰を禁止し、この卵内雌雄鑑別を導入する動きが広がっています。

※2026年6月時点の公開情報をもとにアニマルライツセンター作成。詳細な出典は文末参照。

ドイツやフランスでは、すでに2022年頃からオスひよこ淘汰を規制する法律が整備され始めました。さらにEU全体でもオスひよこ淘汰の廃止に向けた議論が進められており1、今後さらに規制が広がる可能性があります。

では、法律がないと技術導入が進まないのでしょうか。そんなことはありません。

ノルウェーでは法的規制なしに、2023年にはじめて技術導入されました。また、アメリカでは2024年に、オーストラリアでは2026年5月に導入されました。法律がなくても市場の需要が見込まれれば、自主的に導入が進むのです。

このように世界では、

  • 法律によってオスひよこ淘汰を禁止する国
  • 法律はなくても企業や業界が自主的に導入を進める国

の2つのルートで変化が進んでいます。

日本は

一方、日本はまだどちらのルートにも入っていません。法規制はなく、商業規模での卵内雌雄鑑別の導入も確認されていません。
消費されるたくさんの卵の裏には、数多くのひよこの犠牲があります。すぐに法規制が行われることは難しいかもしれません。しかし、日本においても大学や企業でこの技術の研究が進んできています。例えば、卵の写真を撮ることで孵卵後わずか3日目で高い精度で判別可能な技術などがあります2

次に必要なのは、実際の孵化場での導入と流通の開始です。そのためには、1人でも多くの消費者がこの現状を認識し、オスひよこ淘汰の禁止を求めることが重要です。

世界ではすでに変化が始まっています。日本でもこの問題を解決するために、あなたの声が必要です。

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出典

【図の作成に使用した主な資料】

・ドイツ:ドイツ連邦食糧農業省(BMEL)
https://www.bmel.de/DE/themen/tiere/tierschutz/tierwohl-forschung-in-ovo.html
・フランス:フランス共和国官報(Legifrance)
https://www.legifrance.gouv.fr/jorf/id/JORFTEXT000045124750
・オーストリア:オーストリア連邦法情報システム(RIS)「動物福祉法(Tierschutzgesetz)」
https://www.ris.bka.gv.at/GeltendeFassung.wxe?Abfrage=Bundesnormen&Gesetzesnummer=20003541
・イタリア:Animal Equality
https://animalequality.org/news/2025/03/28/italys-male-chick-killing-ban-stalls-colosseum-lights-up-in-protest/
・オランダ:Innovate Animal Ag
https://innovateanimalag.org/blog/dutch-government-announces-roadmap-to-end-chick-culling-by-2026
・ベルギー:Hendrix Genetics
https://layinghens.hendrix-genetics.com/en/news/vepymo-opts-for-in-ovos-ella-egg-sexing-technology/
・スイス:Orbem
https://www.orbem.ai/newsroom/genus-focus-for-in-ovo-sexing-in-switzerland
・ノルウェー:Innovate Animal Ag
https://innovateanimalag.org/blog/norway-hatchery
・アメリカ:Canadian Poultry Magazine
https://www.canadianpoultrymag.com/cracking-the-code/
・オーストラリア:Agri Advanced Technologies (AAT)
https://www.agri-at.com/2026/05/06/aat-und-sba-kuendigen-die-markteinfuehrung-der-cheggy-in-ovo-sexing-technologie-in-australien-an/
・ブラジル:Innovate Animal Ag
https://innovateanimalag.org/egg-sexing

【本文中の出典】

  1. European Parliamentary Research Service (EPRS), Male chick culling in the egg production industry
    https://www.europarl.europa.eu/RegData/etudes/ATAG/2022/739246/EPRS_ATA%282022%29739246_EN.pdf ↩︎
  2. 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト「画像解析AIを活用した卵内雌雄鑑別技術に関するニュースリリース」
    https://www.hitachi-solutions-create.co.jp/company/newsrelease/2026/pdf/20260122.pdf ↩︎