茨城県霞ヶ浦周辺のレンコン田で野鳥が大量死!

茨城県土浦市・霞ヶ浦市では、レンコンの栽培が盛んです。首都圏で売られている大半のレンコンが茨城産です。

そのレンコン田(蓮田)に2004年に防鳥ネットが張られるようになりました。
食害防止の名目でJA土浦が助成金をもらい、希望のあった農家が半額を負担し全体の約10%の農家が導入。

そのネットの効果検証やリスク検証を行っておらず、結果、カモやバン、あるときはフクロウなどが大量に引っかかり死亡する結果になりました。
一日1000羽が犠牲になっている日もあります。
2009年2月に目撃したときは地獄絵図のように死体があちこちにぶら下がっている状態でした。

農家が農作業のためネットの側面を巻くり上げ、そのまま放置するため鳥が歩いて入り、飛び立とうとしたときに足や羽が絡まり死亡するという例がほとんどです。
つまり食害防止には役立っていないのです。

さらに、鳥が絡まっているのを見つけた場合、農家は無視をするか無造作に引きちぎり、鳥を助ける意思がありません。死体も蓮田に放置し、衛生的にも人道的にも許しがたい状態です。

同様にレンコンの栽培が盛んな石川県では、最初から野鳥に配慮したネットを使用し、野鳥用の入水池も用意しています。霞ヶ浦ではどの鳥がどの時期にどの程度レンコンに害を及ぼしているのかという正確な調査も行っていません。また、90%の農家が設置をしていないことからも必要性は薄く撤去を求めます。

ネットの寿命は5年であり、再び土浦市は張替えを検討し再度助成金の導入を決定し張替えを行おうとしています。茨城産のレンコンをボイコットしてください!

茨城県との話し合い

2009年2月20日に、茨城県との話し合いを行いました。当日は霞ヶ関の環境について研究を行っている国立環境研究所の元研究官の方に参加いただきました。
アニマルライツセンターからは下記要望及び質問状を提出しました。 

霞ヶ浦沿岸蓮田での防鳥ネットによる野鳥被害に関して

私たちは動物に対する非倫理的殺害、虐待、遺棄を無くし、動物たちと穏やかに共存できる社会を目指す、動物の権利擁護を行なう非営利団体です。
この度、霞ヶ浦沿岸に広がる、蓮田にかけられた防鳥ネットによる野鳥の被害について知り、改善の道を模索していきたいと考え、以下の質問と要望をさせていただきます。
お忙しい中大変恐縮ですが、ご回答と対策をご検討いただけますよう、お願いいたします。

質問

 

  1. 野鳥による作物被害の状況(具体的データ)について
    • 防鳥ネットによる犠牲が特に多いカモ類と、バンによる作物被害データをお教えください。
    • 白鳥による作物被害、サギ類、カモ類、バンなど、鳥の種別毎の被害状況をお教えください。
    • 防鳥ネットを張る前と、張った後の被害総数の違いをお教えください。

 

  1. 防鳥ネットを張っている蓮田は、全体の10%強であることについて
    • 防鳥ネットを張っている蓮田と、張っていない蓮田がある理由をお教えください。
    • 張っている地域と張っていない地域では、被害が異なると考えられますが、何%の違いがございますか。

要望

  1. 防鳥ネットについて
    • 防鳥ネットは必ず閉めるよう、指導をしてください。

たとえ重労働とはいえ、作物被害と野鳥被害の両方を解決することが求められている以上、防鳥ネットを閉めることは徹底すべきと考えられます。

  • 防鳥ネットの撤去を検討してください。

レンコンの栽培のために、野鳥が被害にあっていること、更には現状のような網にかかったまま餓死または凍死、衰弱死などしているということは、一般の市民にとって非常にインパクトのあるショックな事実です。

さらに、現在採用されている防鳥ネットより、被害が少なくなる防鳥ネットが存在しているにもかかわらず長期間改善がされていないことは、更に一般市民の不信感を買うことになると思われます。また、何度も新聞などのメディアに取り上げられており、一般の市民も知る事実となっておりますが、野鳥被害は一部分の蓮田によるものにもかかわらず、市民はその違いを知る術がないため、茨城県のレンコン産業全体に対して不信感を持ってしまいます。ネットを張っていない蓮田の農家にとって、利害に関わることではないかと考えられます。

  • 防鳥ネットに替わる作物被害対策を検討してください。

農家の方にとって、作物被害対策が必要であることは当然であると同時に、野鳥被害のもともとの原因でもあります。様々な機関から知見を集め、作物被害対策を検討して下さい。 

  1. 管理責任について
    • 霞ヶ浦沿岸蓮田の防鳥ネットについての管理責任者(または機関)を設けてください。

責任機関を設けることにより、野鳥の被害は減らすことが出来ると考えられます。
また、昨年なども行政機関や社団法人園芸いばらぎ振興協会がチラシを配布などで呼びかけを行った際には、サイドネットが閉じることが多くなったこともあると聞いています。しかし、それは一時的であり、現在もサイドネットは開いている場所が多々見られます。一時的な管理ではなく、長期的な管理をお願いいたします。
責任機関では、
1:野鳥が網にかかっていた場合に放鳥する(又は農家に放鳥を指導できる)こと
2:防鳥ネットがめくられており野鳥が入る可能性がある蓮田を見かけた場合に防鳥ネットを閉める事を指導できること
3:1、2の状況を見かけた場合、市民が通報できること
4:野鳥被害と作物被害のより根本的な解決を模索すること
が可能になることが必要だと考えられます。

  • 定期的な作物被害と野鳥被害の調査を行ってください。

 

  1. 農家の方への啓発について
    • 農家の方へ、野鳥保護意識の向上につながる啓発を行ってください。

生きた野鳥が網に引っかかっているのを目撃した際、農家の方にはずしてくれるように頼んだが、はずしてもらえなかったケースや、網にかかった鳥をはずす際、単に網から引きちぎるようにはずし放鳥ではなく放置していることを目撃したケースなどから、一部農家の方の野鳥保護に対する意識は非常に低いと考えられます。
市民の理解を得るためにも、最低限、野鳥を丁寧に放鳥する姿勢は必要と考えます。

以上、いくつか挙げさせていただきましたが、野鳥被害は日々生まれていますので、早急なご対応が必要です。私どもでも出来る限りの協力をしたいという気持ちがございます。農家の方にとっても、野鳥にとっても、良い解決法を模索していきたいと考えております。
ぜひ皆様方のご尽力をいただけますよう、お願いいたします。


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