「持続可能な水産物」とは何を意味するのか? 日本とスウェーデンの水産システム関係者を対象とした調査研究

論文概要

 

「持続可能性」では社会・環境・経済における優先順位が問題となるが、その視点は立場によって異なる可能性がある。水産物は世界で最も多く取引されている食品の1つであり、こうした違いがもたらす影響は大きなものとなる可能性がある。本研究では、日本とスウェーデンにおいて水産物のサプライチェーンに関わる29分野の主要関係者(政府・NGO・業界団体・小売業者・生産者など)を対象として、「水産物の持続可能性において重要な問題は何か」という問題に関して、新たなQソート法を両国で用いて比較することで、国ごとの理解の相違を明らかにする。

スウェーデンはグリーン消費の推進で知られているが、これとは対照的に日本では、例えばサトウミ(里海)のように、持続可能性のための異なるイニシアチブに重点が置かれている。水産物の持続可能性に関する40項目の記述について参加者に順位付けを求めた結果、「規制中心型」・「生態系中心型」・「産業中心型」・「地域社会中心型」という4つの明確に異なる視点があることが明らかになった。

それぞれの国ごとに明らかな違いが存在し、両国の参加者が共通して支持した視点はただ1つのみであった。持続可能性には様々な側面があり、これらは互いに影響を及ぼしているが、本稿ではそれらの優先順位を提示するとともに、対立点と合意点に関する仮説を提示する。世界の水産物の持続可能性をめぐっては多様な視点が存在しており、課題に取り組むうえではこうした違いを理解することが重要である。

 

原文タイトル:What does “sustainable seafood” mean to seafood system actors in Japan and Sweden?

論文著者:Abigayil Blandon, Malin Jonell, Hiroe Ishihara, Aiora Zabala

公開日: 2025/01/02 

論文URL:https://doi.org/10.1007/s13280-024-02122-4

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