動物性食品を除いた食生活のカーボンフットプリント ポーランドにおける探索的研究

論文概要

 

背景・目的: 人間活動は地球温暖化に影響を及ぼし続けており、持続可能でこれを軽減できる食を選ぶ必要がある。このため、食習慣が異なる様々な集団に関して食生活に関わるカーボンフットプリントを分析することは重要である。この探索的研究では様々な形で動物性食品を食生活から排除しているポーランド人を対象とし、参加者の食事記録を用いてカーボンフットプリント(CO2換算値 kg CO2eq)を分析した。

方法: 参加者は4つの食事グループ(ヴィーガン・ベジタリアン・ペスカタリアン・肉食者)のいずれかに属し、7日間に摂取した全ての食事・飲料に関して、その分量や包装の詳細を含めて記録した。これらのデータを分析して各食事パターンにおける遵守度を評価し、公開データベースで利用可能なCO2換算排出量の標準化データを用いてカーボンフットプリントを算出した。

結果: 分析の結果、食事から動物性食品を除くほどカーボンフットプリントが減少する傾向にあることが明らかになった(R² = 0.96, p = 0.0217)。1日あたりの平均フットプリントはヴィーガンで1.38 kg CO2eqであり、ベジタリアン(2.45)、ペスカタリアン(2.72)、肉食(3.62)に比べて有意に低かった。食事から摂取するエネルギー1000 kcal 当たりで見ると、肉食者の食事から発生するCO2 換算値はペスカタリアンに比べて39.7% 高く、ベジタリアン、ヴィーガンに比べるとそれぞれ 58.3%、93.9% 高かった。ヴィーガンの参加者10人における週当たりのカーボンフットプリント総量は、ベジタリアンに比べて42.9%低く、ペスカタリアンとの比較では52.2%、肉食者との比較では61.8%低かった。カーボンフットプリントに最も大きく影響していた食品は、ベジタリアンではハードチーズとモッツァレラチーズ、ペスカタリアンでは魚介類、肉食者では鶏肉・豚肉・牛肉であった。

結論: 食習慣に由来するカーボンフットプリントは食事パターンによって大きく異なり、動物性食品の摂取量が少ないほど炭素排出量は低下する。食事パターンによって環境に及ぼす影響には違いがあり、それぞれのパターンの中で環境負荷が特に高い食品を特定することは、こうした影響を低減するための戦略を考えるうえで重要である。

 

原文タイトル:The Carbon Footprint of Diets with Different Exclusions of Animal-Derived Products: Exploratory Polish Study

論文著者:Anna Choręziak, Piotr Rzymski

公開日: 2025/04/19 

論文URL:https://doi.org/10.3390/nu17081377

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