豚の援助行動は、助ける側の社会的関心と助けを求める側の苦痛シグナルで媒介される

論文概要

 

助け合いは向社会性の観点から特に注目されているが、その理由は他者のニーズが動機となっているように見えることである。本研究では豚 (Sus scrofa domesticus) における援助行動を検証するため新しい実験パラダイムを開発し、75頭の個体を8つのグループに割り当て、それぞれ豚舎の中でテストした。

豚舎の横には同じ形をした2つの小部屋があり、それぞれの小部屋は窓とドアで豚舎とつながっていた。豚舎の側からハンドルを持ち上げるとドアを開くことができた。全てのグループの豚は、この豚舎に慣れるために5日間を過ごし、この間に自発的にドアを開けることができた。

テストでは、一頭の豚がグループから一旦引き離され、2つの小部屋のいずれかに無作為に入れられた。85%の場合、グループに残った豚は小部屋に閉じ込められた仲間を20分以内に解放した(所要時間の中央値=2.2分)。豚たちは、誰も入っていない空の小部屋のドアを開けるのに比べると、閉じ込められた豚を解放するためにドアを開けようとし、その動作もより速かった。

閉じ込められた豚は苦痛のシグナルを出していたが、これは助けられる確率を高めた。特定の相手を助ける行動として説明するためには複数の基準があり、上記の反応はこれを満たすものである。ただし、利己的な動機としても説明は可能である。

 

原文タイトル:Spontaneous helping in pigs is mediated by helper's social attention and distress signals of individuals in need

論文著者:Liza R Moscovice, Anja Eggert, Christian Manteuffel, Jean-Loup Rault

公開日: 2023/08/02 

論文URL:https://doi.org/10.1098/rspb.2023.0665

別のFACTを探す