世界中のほとんどの人が鶏の福祉は重要だと考えている

論文概要

 

14か国、4000人以上を対象とした調査によると、大多数の人が採卵鶏は苦しむべきではないと考えており、ケージで飼育されていない鶏の卵を購入したいと考えていることがわかった。

国によって割合は異なるものの、世界の卵の大部分は、狭いケージで飼育され、大きな苦痛を与えている鶏から産まれている。多くの動物愛護団体が、こうした数を減らそうと努力してきた。しかし、消費者はこうした取り組みをどれほど支持しているのだろうか?この研究は、採卵鶏が一般的にケージで飼育されているという事実について人々がどれほど認識しているか、そして人々がこの飼育方法を容認しているのか、という2つの点を明らかにすることを目的として行われた。

研究者らは、家畜の福祉に関する24項目からなるオンライン調査を行った。本研究では、鶏の福祉と卵の生産に関連する4つの質問に焦点を絞った。回答者には、以下の記述について1から7の尺度でどの程度同意するかを尋ねた。

  • 「卵を産む鶏が苦しむことがないようにすることは、自分にとって重要なことである。」
  • 「私は、ケージに入れられていない鶏の卵を買いたい。」

回答者には、卵を食べるかどうか、また、自国の産卵鶏のほとんどがケージで飼育されていると思うかどうかについても質問した。

この調査は、オーストラリア、バングラデシュ、ブラジル、チリ、中国、インド、マレーシア、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、スーダン、タイ、英国、米国を含む14か国で実施された。ほとんどの国では、訓練を受けたデータ収集員が公共の場で回答者に直接声をかけ、口頭で質問した後、オンラインフォームに回答を入力した。ブラジル、英国、米国の3か国のみ、回答者は完全にオンラインで調査への回答を記入した。

合計4,292人が参加し、人数は各国間でほぼ均等にした。回答者数が最も少なかったのは中国で249人、最も多かったのはパキスタンで501人だった。

バングラデシュを除くすべての国で、回答者の大多数が、卵を産む鶏が苦しまないことは重要であると回答した。全体として、この意見への同意度は7段階評価で平均約5.7であった。

さらに、ナイジェリアを除くすべての国で、回答者の大多数が、ケージ飼育されていない鶏の卵を購入したいと回答した。この意見に対する平均的な同意度は、7段階評価で約5.4であった。

統計分析の結果、各国の平均スコアに基づくと、オーストラリア、ブラジル、チリの回答者は、他の国の回答者よりも鶏の苦痛に対する懸念が強く、ケージフリーの卵を購入することを強く好むことがわかった。

回答者の大多数(オーストラリアとインドを除くほとんどの国で90%以上)が卵を食べていると回答した。しかし、卵を食べるかどうかは、鶏の福祉に対する関心度や、ケージフリーの卵への嗜好を確実に予測するものではなかった。

最後に、回答者の大多数は、自国の産卵鶏はケージで飼育されていると考えていた。この記事の書かれた時点では、オーストラリアとイギリスを除く調査対象国すべてにおいて、この認識は当てはまっていた。

動物擁護派のために、研究者たちはこの調査から得られた3つの重要な知見を強調している。第一に、鶏の福祉は重要であり、消費者はより良い環境で飼育された鶏の卵を好むという点で、世界的にかなりの合意が得られている。

第二に、この合意にもかかわらず、文化的な違いが見られる。例えば、ナイジェリアの回答者の4分の3以上(78%)が鶏は苦しむべきではないと同意したが、ケージフリーの卵を好むと答えたのは3分の1未満(32%)だった。研究者らは、一部の人々は、ケージ飼育システムは「鶏群の健康を均一に管理できる」ため、福祉の観点から優れていると考えている可能性があると推測している。さらに、バングラデシュ、ナイジェリア、スーダンなどのように、卵が豊富に入手できないために高価になっている国では、ケージ飼育の卵の方が安いと考えられているため、人々はそちらを好む可能性がある。

第三に、オーストラリアではケージ飼育(バタリーケージ飼育)が段階的に廃止されつつあり、英国では既に禁止されているにもかかわらず、これらの国の回答者の大半は、卵のほとんどはケージ飼育の鶏から産まれたものだと考えていた。しかし、これらの回答者は他の国の回答者よりも確信が持てない傾向があり、「わからない」という回答の割合が最も高くなっている(オーストラリアで31%、英国で33%)。この結果は、消費者の意識の遅れを示している可能性があり、ケージフリーシステムの重要性を引き続き強調し、より良い製品表示を推進する上で、動物擁護者にとって好機となるかもしれない。

※本記事はこの記事の最下部にある論文のFaunalyticsのリサーチャーによる要約を、同団体の許可を得て翻訳したものです。

 

原文タイトル:Consumer attitudes towards egg production systems and hen welfare across the world

論文著者:Sinclair, M., Lee, N. Y. P., Hötzel, M. J., de Luna, M. C. T., Sharma, A., Idris, M., Islam, M. A., Iyasere, O. S., Navarro, G., Ahmed, A. A., Curry, M., Burns, G. L., & Marchant, J. N.

公開日: 2022/10/12 

論文URL:https://doi.org/10.3389/fanim.2022.995430

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