でもある。このことを、参政党北野裕子議員が2025年4月25日の環境委員会で訴えた。また、アニマルウェルフェアに配慮することが「生産者、消費者の意識を向上させ、動物に関連する様々な産業に付加価値を生み、生み出し、国際競争力の強化、経済成長」につながるものであり、海外からの知見も積極的に取り入れる必要があると述べた。北野議員は冒頭、日本の動物観がどのようなものだと考えているか、浅尾慶一郎環境大臣に問うた。北野議員が述べた通り、日本の本来の動物観は、あらゆる動物への配慮があるものであり、アニマルウェルフェアは言葉こそ新しいが考え方は突飛なものではない。残念ながら浅尾大臣は「日本人の動物観は多様であって然るべき」としか答えず、大臣個人の見解をと迫られても、曖昧な回答に終止した。後半の質問では、アニマルウェルフェアが食の安全、人々の健康に寄与することを訴え、また日本のケージフリーや薬剤耐性菌や食中毒菌の対策の遅れを指摘した。だが農林水産省は飼育方法と動物の免疫との関係を示す科学的知見は知らないと答えた。北野議員はケージフリーの鶏の健康との因果関係についてはまだ研究段階ということですが日の光を浴びて本能に従い、自由に動き回って育った鶏とそうでない鳥は健康的に差異が生まれるということは、消費者の感覚として当然持っているものであると思います。と述べている。全くそのとおりだ。アニマルウェルフェアは基本的に動物の健康に寄与する飼育だ。運動ができるようになり、骨も強くなり、筋肉もつく。科学的根拠はごまんとある。それを農林水産省は知らないと述べているのだからずいぶん悪意のある回答だと感じる。農林水産省は「 なお飼養方式と免疫力の関係につきまして、明確に科学的根拠を明確的に示す科学的根拠については承知しておらない」と述べているため、細かく言えば免疫力との関係について知らないと述べているわけだが、たとえばケージフリーが免疫力に寄与することも科学的な根拠がある。この論文では免疫力をあげることに寄与する腸内細菌叢がケージフリー飼育で腸内細菌叢の多様性が高くなり免疫に寄与することが示されている。この論文でも同様の結果が示されている。農林水産省は飼養管理指針を策定し、多様な飼育方法が良いと断言するほどの権限を持っている。にも関わらず、まずこれらの知見を持っていなかったことには驚きだ。さらには、委員会での質問は事前に官僚たちに通知されており、いまや論文なんて誰でもすぐに検索して読むことができるものだし、しかも国会図書館はすぐそばにある。たとえ前日に通知されたのだとしても知らないなんて開き直っていいものではない。日本中の生産者に飼養管理指針を示して指導する立場であり、そのトップである農林水産省が知らないと答えるのはあまりに怠慢ではないか。100歩譲っても、知らないなら何も言わなければいいのだ。あえて国会議員に対して誤解を招く回答するのは、いかがなものだろう。農林水産省が悪意ある誘導をしたのちにも、北野議員は惑わされずケージフリーの優位性を伝えてくれたことに心から感謝したい。2025年4月25日答弁全文(アニマルライツセンターでの書き起こしのため誤りがある可能性があります)次に、北野裕子さん。北野議員:今回もご質問の機会をいただきましてありがとうございます。 参政党の北野裕子でございます。 前回に引き続き動物に関連した質問をさせていただきたいと思います。前回クマの問題について質問いたしまして、野生動物と人間の関わり方について考える機会が多くなっているのではないかと思います。近年国際的にも動物福祉、いわゆるアニマルウェルフェアの増進が審議され、その導入推進が日本にも求められています。 まず、日本は既に動物愛護のための法律として昭和48年に議員立法で制定された動物愛護管理法があります。 これは動物の愛護や管理について定め、人の動物、人と動物の共生する社会を実現を図ることを目的としておりますそしてこの環境省の動物愛護管理指針には、我が国の風土や社会の実情日本人の 動物観の特質や海外との違いを踏まえ、人間との人間と動物の関係について丁寧な議論を積み重ねることが重要であると書かれています。 ここでお尋ねいたします。 大臣は、日本人の動物観というのはどのようなものとしてお考えでしょうか? 人間と動物の共生する社会を実現する前提として必要な情報ですのでお聞かせいただければと思います。浅尾環境大臣:ご指摘の指針ではですね人と動物の共生する社会の実現に向けて議論を積み重ねる際に、我が国の風土や社会の事情日本人の動物観の特質や海外との違いを踏まえることの重要性に言及をしております。 日本人の動物観については、指針において、アニマルウェルフェアに対する考え方も含め、いつの時代であっても多様であり続けるものであり、また多様であってしかるべきものであるとしております。また、指針策定の際の審議会においては、あくまでも一つ一つの考え方であり、これらをもって日本人の 動物観とするものではないが、歴史的な観点などを踏まえたいくつかの動物館が参考資料として示されているものと承知をしております。 いずれにしても、動物愛護管理行政の推進に際してはですね、多様な考えに耳を傾け、丁寧な議論を積み、積み重ねながら進めていくことが必要と考えております。北野議員:ありがとうございます。 動物愛護指針策定の過程であります審議会の中に大変興味深いものがありましたのでそちらをご紹介さしていただきたいと思います日本人の動物観の参考となる記述でございます。環境省の動物愛護管理室長の庄司さんという方のご発言でございます。 平成17年の8月4日に開催されました中央環境審議会動物愛護部会の議事録からの引用でございます。 日本の場合には、動物と人間は輪廻転生といいますか、生物的には平等で連続的な存在と捉えがちであるとし対して、欧米の方は別の生命体である意味、人間が管理するべきであるというような考えが強いというように言われてあります。 と書かれておりましたまた平成18年5月29日の中央環境審議会ですね、動物愛護の部でございますそこの動物愛護基本指針の骨子案の参考資料には欧米と動物観の違いとして日本との比較をまとめた表がございました。 その表を口頭で簡単にご説明させていただきます。 まず、日本の人と動物との関係についてです。 人間と生命的には平等、輪廻転生によって、人間と動物とは相互転換する生物、生命的に連続的な存在と書かれておりますまた欧米ですね、欧米の人と動物との関係においては、人間とは別の生命体であり、人間の従属物人間のために存在し、人間が管理すべき存在であると書いてあります日本の愛護に関する方針を定めるための審議会ですこうした価値観の違いを整理しようとしたことは、極めて合理的であると考えます。 その後の資料参考資料が削除されてしまったようなのですが、この審議会で議論されていたような日本人の 動物観について政府見解でなくても結構です大臣の所感をお伺いできますでしょうか?麻生環境大臣:日本人の動物化についてはですね、この指針においてアニマルウェルフェアに対する考え方も含め、いつの時代であっても先ほど申し上げましたが、多様であり続けるものでありまた多様であってしかるべきものだというふうにしております。飼養策定の際の審議会においてはあくまで一つの考え方ということでですね、これらをもって日本人の動物観としてするものではないが、歴史的な観点などを踏まえたいくつかの動物さんが参考資料として示されたものと承知しておりまして、まさにその日本人の動物観は多様であるというところにポイントがあるんだというふうに思っております。北野議員:ありがとうございます。参政党はこのアニマルウェルフェアといった考え海外の考え方を導入する場合も先ほど大臣がおっしゃいましたように、日本独自の考え方対応ですねそのまま我が国に当てはまるのかどうか、日本的な価値観はどのようなものなのかを常に考える必要があるという立場をとっております。 神道ではやおよろず、あらゆるものが信仰の対象であり、仏教では全ての命に魂が宿るとされております。 また食事の際にはいただきますごちそうさまでしたと唱え、命あるものへの感謝と敬意を日々の習慣から脈々と私達のDNAに刻み込んできました。 このように動物や自然に対する敬意は日本文化として元々ありました。ですから今こそ国民に対して日本人の考え方に馴染んだ我が国なりのアニマルウェルフェアというものを環境省として国民に示していただいた方が納得しやすいのではないかと思います。 新しい価値を作り出すというのではなく、あらゆるものを慈しむ心というのは日本人が気質として持っております。それにより、生産者、消費者の意識を向上させ、動物に関連する様々な産業に付加価値を生み、生み出し、国際競争力の強化、経済成長に繋がっていくのではないかと考えます。そのためご確認のためにお伺いいたします。動物愛護法の第2条には、動物が命あるものであることに鑑み、適正な取り扱いを定め、第7条には、命あるものである動物の健康および保持安全を保持することが書かれております。これこれらの条文にいう命あるものである動物は、牛豚鶏などの産業動物も含まれているのでしょうか?浅尾環境大臣:動物愛護管理法第2条および第7条に規定する命あるものである動物には、産業等に利用する利用に供するため飼養または保管している牛豚鶏などの産業動物も含まれます。北野議員:ありがとうございます。産業動物が当てはまることはわかりました。ではこれから食の安全という観点でお話をさせていただきます。 私達参政党は食と健康を重点政策に挙げておりますこれは西洋的な対処療法に頼るのではなく、普段から体に良いものを摂るように心がけ、病気を予防しようという医食同源の考え、東洋医学の思想によるものです。人間が健康にいるために健康でいるためには、運動、食事、そしてストレスのない生活が重要であると同時に、この鶏や家畜豚ですね、 家畜にとってもストレスのかかりにくい環境を与えることは、健やかな成長、免疫の向上に良い影響を及ぼし、より安心安全な畜産物を得るために必要なものだと考えます。現に日本日本産の鶏肉から検出されるサルモネラ菌はケージフリーが進んでいる諸外国と比べましても多いという報告が見られます。 鶏肉について言いますと日本ではまだまだ平飼いなどケージフリーの導入が進んでいないものと認識しております。養鶏場のゲージフリーの割合は、民間団体の調べによりますと、日本は1. 13%スイスは100%、そしてEUでは60%となっております。 ケージフリーにより鳥に自由を与えることでストレスから解放され、免疫が向上し、必要以上に抗菌剤やワクチンを使用しなくても済むのではないかと考えます。 ケージフリーの飼い方とケージ飼いのメリットデメリット、あわせてお答えいただきたいです。そしてもう一つあわせまして産業界においてのアニマルウェルフェアに配慮した取り組みを妨げるものがあるのでしたらそれもあわせて教えていただければと思います。農林水産省関村大臣官房審議官:お答えいたします。 鶏の使用方法には大きく分けて、ゲージ方式とゲージフリー方式があります。 ケージ方式には、強い鶏が弱い鶏をつつくなどの闘争行動が減少することによる死亡率の低下鶏が家畜排せつ物に触れにくく清潔に保たれる等のメリットがございます。一方ゲージフリー方式には鶏が床面までは地面を自由に運動できる。 運動量の増加による骨が強健になる等のメリットがございます。 このようにいいし、各飼養方式におきまして、アニマルウェルフェア上のメリットがあることから、農林水産省としましては、特定の飼養方式に限定することなく多様な飼養方式を認めているところでございます。 なお飼養方式と免疫力の関係につきまして、明確に科学的根拠を明確的に示す科学的根拠については承知しておらないところでございます。アニマルウェルフェアにつきましては、農林水産省としましても局長通知等を発出しまして、推進しているところでございます。北野議員:ありがとうございます。畜産業におけるアニマルウェルフェアの配慮にはコストがかかることや、ゲージフリー化のメリットデメリットそれぞれあるということがわかりました、ありがとうございます。ケージフリーの鶏の健康との因果関係についてはまだ研究段階ということですが日の光を浴びて本能に従い、自由に動き回って育った鶏とそうでない鳥は健康的に差異が生まれるということは、消費者の感覚として当然持っているものであると思います。 また諸外国ではゲージフリーが進んでいる理由としては動物福祉の観点だけではなく、食品安全の向上やそれに伴うブランド化も含まれていると考えます。日本の畜産物のイメージ向上、将来的な輸出強化のためにも良いとされる取り組みがあれば、それを海外からの知見を積極的に取り入れていくべきだと考えます。 持続可能な経営という視点でコストも大事なんですけれども、本来我が国の動物観に立ち返り、人間との協調調和共生を目指し、日本式アニマルウェルフェアを確立することができれば、日本の新たな付加価値が生まれ、日本の1次産業の振興、そして日本ブランドとして世界に発信できるのではないかと考えます。 この日本ブランドの発信ですね、イメージアップをしていきたいんですけれども、今、とりわけ国産の鶏ですね、薬剤耐性菌の保有率が高いなどというお話を聞きました。そこで産業動物に関する薬剤使用についてお尋ねをいたします。薬剤を使用することで効かない細菌が現れるということですね。 薬剤耐性菌です。この薬剤耐性菌の発生というのは拡大して人にうつると私達人間の生命に関わります我々我が国としては人への影響を与えないように、どのような取り組みを行っているのかお聞かせください。農林水産省大臣官房審議官:お答え申し上げます。ご指摘の通り抗菌薬を不適切に使用した場合、薬剤耐性菌の発生リスクが高まり、人や動物の細菌性感染症の治療が困難になることが懸念されます。 このため、我が国は2016年に薬剤耐性アクションプランを策定し、関係省庁で連携して薬剤耐性対策を進めてきたところでございます。農林水産省では、家畜の分野につきまして、食品健康影響評価の結果を踏まえて、治療の際の抗菌薬の選択順位を明確化するとともに、主要衛生の徹底や収益性管理の徹底や、有効なワクチンの実用化の促進などによる抗菌薬の使用量の低減さらに畜産関係者等に対する抗菌薬の適切な使用の普及啓発などを進めているところでございます。 引き続き、これらの対策を着実に進め、関係者と連携しながら、畜産分野における薬剤耐性対策を推進してまいりたいと考えております。北野議員:ありがとうございます。薬剤耐性菌について蔓延防止のために様々な取り組みがされていることがわかりました。こうした取り組みは環境の畜産農家さんが生産する畜産物に対して一定の安全性を示す取り組みだと言えますのでぜひもっと積極的にやっていただければと思います。一方でそもそも耐性菌の代わりにねお薬も使わずに畜産物の免疫力を引き出して克服しようと努力されている畜産農家さんもいらっしゃいますので、そういった方にぜひ積極的に予算をつけていただくなど支援をしていただければと思います。もうそろそろ時間がないので質問まだあったんですけれどもちょっと削らせていただいて最後私の思いだけお伝えさせていただきたいと思います。このケージフリーどんどんこれから進んでいって日本にもどんどん求められると思うんですけれども、私達日本人というのは元々この動物に対する思いっていうのはありました。 聞きなじみのない言葉なんですけれども新しい価値観のように感じますが私達日本人は本当に命あるものを大切にいただいて、動物と共存していく日本固有の文化と伝統価値観が私達にちゃんと根付いているんですね。 なので日本らしい言葉で表現して、日本式アニマルウェルフェアとか日本の言葉で表現したこういった動物と共存していく、そして畜産物を守っていくような取り組みを今後もしていただければと思います。以上で私からの質問とさせていただきます。 本日はありがとうございました。 クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます) X Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます) Facebook クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます) X Share This Previous Article動物の未来BASE【私達のミッションとは?&力を最大化する方法】+渋谷アクション No Newer Articles 2025/06/11