9月15日の熊本市の過去の最高気温推移です。2021年以降は20度台であったことがありません。昨年は34℃、午後の神幸行列があった9/16は最高気温36度でした。人馬ともに危険があります。どーかいどーかいと声をかけながら大きな飾りをつけられた馬を先頭に地元の人々が行列する藤崎八旛宮に奉納するという神幸行列、馬は疲弊しています。馬の扱いについて、次なる改善または廃止の検討を行うべき時が来ています。
2024年 | 34.3℃ | 2015年 | 28.9℃ | 2006年 | 29.8℃ | 1997年 | 28.2℃ |
2023年 | 32.2℃ | 2014年 | 28.9℃ | 2005年 | 31.6℃ | 1996年 | 29.6℃ |
2022年 | 31.1℃ | 2013年 | 30.6℃ | 2004年 | 30.5℃ | 1995年 | 28.3℃ |
2021年 | 30.7℃ | 2012年 | 29.6℃ | 2003年 | 31.9℃ | 1994年 | 30℃ |
2020年 | 29.5℃ | 2011年 | 30.3℃ | 2002年 | 31℃ | 1993年 | 27.4℃ |
2019年 | 31.7℃ | 2010年 | 31℃ | 2001年 | 30.3℃ | 1992年 | 30.3℃ |
2018年 | 28.8℃ | 2009年 | 31.4℃ | 2000年 | 29.9℃ | ||
2017年 | 28.3℃ | 2008年 | 30.1℃ | 1999年 | 30.4℃ | ||
2016年 | 30.3℃ | 2007年 | 33℃ | 1998年 | 31.2℃ |
アニマルライツセンターからの再要望内容
以下の例大祭における馬の扱い改善の要望を藤崎八旛宮及び藤崎八旛宮秋季例大祭 飾馬奉納奉賛会宛に郵送しました。
藤崎八旛宮秋季例大祭では、これまで行ってくださった馬の扱いについての改善に心より感謝申し上げます。
しかし、今でも毎年、貴祭りにおける馬の扱いの酷さについて通報が来ることは残念なことです。動物への扱いに関して、日本人の意識は急速に向上しており、さらなる改善を図っていただけるようお願いいたします。
要望1:ハミでのコントロールを禁止してください
特に正門を出る付近でのハミの扱いが酷く、左右に馬を歩かせたいことからハミをぐりぐりと引っ張り回し、無用な痛みを与えている姿が散見されます。ハミを引っ張り横移動させるという行為は馬の口腔内に外傷をもたらしている可能性が高く、これは動物愛護及び管理に関する法律違反にもなり得ます。
ハミは口の中に痛みを与えることにより、馬の動きを制御する器具です。
ハミによって不安、恐怖、痛みおよび病変が引き起こされることが明らかになっています。
- クロスカントリーのテストに参加した馬の52%(109/208頭)に急性の口腔内外傷がみられた 1
- 66頭のハミ使用よる調査で、ハミによる痛みが原因と考えられる異常行動(例:反復動作、ステレオタイプ)が69種類確認された 2
その他多数の根拠があります。
それでいて、ハミがなくても馬のコントロールや安全性に差異はなかったという研究もあり、ハミを使用せずとも成り立つことを示しています。
また、ハックモアという、よりアニマルウェルフェアに配慮された制御器具があります。こちらに変更したとしても、例大祭の開催にはなんら影響はないはずです。ハックモアへの変更をお願いします。※
要望2:これまでの対策の徹底してください
未だ、馬の真後ろに立ち、手を挙げるジェスチャーをする参加者見受けられます。御存知の通り、馬は真後ろを見ることができず、真後ろに回られることにストレスを感じます。後ろ蹴りを行わなくなってから少なくなっておりますが、未だに続けている方がおられます。これらはこれまでの皆様の改善の努力を損ねるものであり、守れない方の参加を認めないなどより強く指導いただけるようお願いします。
要望3:開催時期の変更を検討してください
近年は、9月の最高平均気温が30度を超える年が増えてきました。9月下旬の開催であっても気温は高いままです。昨年16日の最高気温は36度であり、馬にとって過酷な状況であることは間違いがありません。いつか、暑さによる馬(人もですが)の衰弱や死亡が起きることは容易に予測できます。予測できる事故(動物虐待)を避けないことは、未必の故意にあたる可能性があり、違法性があります。
馬が長距離を歩くための適切な温度は広くみても15〜25度であり、35度を超える中で歩かせるリスクはなくすべきです。
熊本市の気温は周辺よりも高い傾向にあり、10月であっても30度を超える日があります。そのため、10月下旬以降への変更が最善と考えられます。
なお、福島県の相馬野馬追では、人馬の暑さによる事故を経て、「近年の温暖化による人馬への影響を考慮」し7月から5月の開催に変更をしてくださっています。
9月の開催時には馬の利用をやめていただくか、または時期の変更をお願いいたします。
伝統は時代や環境に合わせて変化を経てこそ、継続されるものです。同じ形で行うことが伝統を継承することではありません。今、伝統文化の中での動物利用が全国各地で見直されています。人々の意識向上、気候変動、社会情勢などに合わせ、どうか、馬の安全と福祉を担保するよう、重ねてお願い申し上げます。
ご検討及びご回答を下記連絡先にいただけますよう、お願いいたします。
https://doi.org/10.3389/fvets.2021.651160 Bit-Related Lesions in Event Horses After a Cross-Country Test 2021
https://doi.org/10.1111/eve.12916 Behavioural assessment of pain in 66 horses, with and without a bit 2019
※ハックモアでも不適切な扱いをすれば馬は傷つきます。あくまでもマシな選択のための提案です。馬のコントロールを推奨する立場ではありません。