デビッド・シンクレアによるサバイバル回路(人、細胞の若返り機構)の発見 2019年 ハーバード大学過去、現在、未来にわたって、人の生命、寿命、病気はどう考えられて来て、現在はどう考えられているか。又、人の生命の未来には何が待っているか。過去 人の身体は機械と同じで使うと古くなると考えられていた。現在 山中伸也のiPS細胞の発見で人の細胞は若返ることが可能と発見された。未来 シンクレア、人の細胞は自動的に修復が行われて環境を整えれば老化や病気はおこらならいことを証明した [1]。シンクレアが発見(2020年)した人のDNAのサバイバル回路は病気への人の取り組みを今後どう変えていくだろうか。新しい発見の道を一つづつたどってみます。新発見の人のサバイバル回路とは何でしょうか?過去には人は、長年の間に少しづつ老化すると考えられており、その代表が人間ドックと言う考え方にありました。長く使用した人の臓器は機械のように古くなり故障するため、一定期間ごとにチェックを行い、老化した部分を治せばまた動くと考えたのです。現在のシンクレアの発見はこれが全くの誤りであったことを証明したところにあります。人は生存に適した環境で生活すれば120歳までは元気で病気をせず、生きていけることを示しました。すなわち、かなりの病気はDNAのサバイバル回路を動かすことで治癒へ向かって進んで行くこと、また、これは全て自分で簡単に可能なことを発見したのです。項目ごとにみてみましょう。Ⅰ. 人が老化したり病気をしたりする原因は何か?これをもう少し現代からさかのぼり、生命の発生時点からみつめると、地球の環境は放射線や化学物質、熱、火山、寒気、洪水、乾燥などのストレスにみちあふれており、生物、生存の基礎となるDNAはそのようなストレスにあふれた環境に適合しています。食物という目から見てもこれは同様であり、人の生存(DNA)にもっとも適した食べ方は飢餓と低栄養であり、この2つが常に人細胞を若がえらせ、老化と病いから守ってくれるという驚くべき内容が発見されました。地球上で生命が発生してから40億年がたち、この間、地球は激しい環境の変動にさいなまれており、この中で生きることが出来た生物のみが現在生き残っています。現在地球は40億年の中で異例なほど気候環境の安定した時期にあります。この40億年の異常なほど続いた生物にとって飢餓や低栄養こそが生物のDNAを保護し再生させることをシンクレアはサバイバル回路となづけました。このサバイバル回路は生物全てに当てはまるのです。野菜類も当然当てはまり、有機、低栄養、統競合する環境で育ったものは Junk DNA は使いつくされています。一方、虫のいないハウス、農業、温度管理下の野菜の生育は大量の Junk DNA が野菜の中に蓄積したままとなります。この為、有機野菜と比べて農業、ハウス野菜は収穫後、早期に老化腐敗が始まるのです。Junk DNAの過多は哺乳類がこれを食べれば当然影響が起こります。Junk DNAの少ない有機野菜がなぜ人にとって(食べる哺乳類にとって)望ましいか結論証明された瞬間です。このメカニズムは山中伸也のiPS細胞の発見が大きなきっかけとなって証明への道が一気に加速したものです。山中がiPS細胞を発見するまで既に動物の細胞からクローンを作りだすことは成功していましたが、作りだしたクローンはその細胞がもともと持っている寿命を越えることが出来なかったのです。すなわち、老人の細胞から作りだした臓器はその人の寿命で動かなくなったのです。山中はiPSで細胞を若がえらせることに成功しました。これが世界の病気や老化、寿命、生物の研究を大きく一歩進化させました。ここからシンクレアのサバイバル回路の発見も生まれたのです。サバイバル回路(若返りシステム)はどのようなとき動き始めるか:生物の環境(食も含めて)が安定している(十分な栄養がある)とき、子孫を残すため、生物は細胞分裂を開始します。このとき、完全な複製に失敗したものは Junk DNA として自身の中に機能を持たないまま残ってしまいます。一方、環境が不安定(飢餓と低タンパク)な時、細胞は分裂を中止します(奇形が発生する可能性が高くなるため)。この時身体に残った Junk DNA を分解して不足したアミノ酸を作りだします。これによって身体内の不要な Junk DNA が一気に減って細胞が活性化し、これも同時に傷つけた細胞の修復の回路(サバイバル回路)が動き始め、生物の身体の自動修復が始まります。すなわち、人の身体は機械と異なり、いくら使っても古くならないのです。Ⅱ. サバイバル回路を動かし、病気を治療し、老化を抑える具体的方法は?ブルーゾーンに学ぶダン・ビュイトナーが2000年代の始めから100歳以上の長寿者がたくさんいる世界の各地を紹介。ブルーゾーンと名前を付け有名となりました。この地の人々の食習慣は共通しており、長寿食と呼ばれるようになりました。共通する簡単な項目は野菜をたくさん食べ、肉、魚、乳製品を控えることにあります [2]。しかし、これが簡単にはいかない、何故?現在の常識は老化は避けることが出来ない。(遅かれ早かれ)必ず誰でも訪れると思い込まされている(特に根拠はないにもかかわらず)。しかし、先端医療が進歩して技術革新がおこり、AIの力で情報の正誤の選別が可能となった結果、質の良い誤りのない情報をもとに、何が生活習慣にとって良いか悪いかを判断できるようになって新しい世界が始まりました。間違いなく確実にサバイバル回路を動かす方法:Ⅲ. 食べる量を減らす古来、紀元前のヒポクラテスの記述以来、各地で実施され(ブッダも述べています)成果が記録されてきました。近代に入っては種々の化学技術の進歩によって実験や人によるテストも行われ、現在では乳がんの再発予防のプログラムにも推奨されています(サンアントニオ合意)。しかし、食物を減らすとどういうメカニズムで免疫が上昇するかは分かっていなかったのです。ここにきて飢餓が2つのDNA回路のスイッチを入れることでサバイバル回路を動かすことが証明されました。それも、常に飢餓の必要はなく、一定時間身体を飢えさせることで動き出すことを見つけました。現時点で人々の受け入れやすい人気の方法は:朝食を抜く(週2回)コーヒー、お茶等はOK食物摂取量を75%に抑える(週2回)コーヒー、お茶、アルコールはOKしかし、これがなかなか一筋縄では行きません。で、他の方法はないか・・・あります!!Ⅳ. アミノ酸を制限する人はアミノ酸を全く摂取しないと短時間に死亡します。アミノ酸の有機化合物が身体のあらゆるタンパク質を組み立てる材料なのです。特に必須アミノ酸と呼ばれている9個のアミノ酸がなければ細胞は生きていけません。この必須アミノ酸9個は動物性タンパク質(肉、魚、卵、牛乳)に全て含まれています。手軽でこの全てのアミノ酸を含んでいる動物性タンパク質こそが、実は我々人類の食習慣に合わない物だったのです。これは前半でその理由を述べていますように、我々地球上生物はストレスが必要であり、ちょうどいいストレスは人にとっては不十分なタンパク質(野菜や豆)であり、この不十分なアミノ酸こそが身体の中の老廃物である Junk DNA を分解し、必要なアミノ酸に変更し、老廃物を減らし故障した回路を修復するスイッチを入れて身体を若がえらせてくれます。この2つが食によるサバイバル回路の発動です。最後に必要なだめおし低タンパク、野菜中心の食事をとってもそれだけでは不十分で、最大の寿命を延ばす長寿遺伝子の力を全て発揮させるためには、もう一つのストレスが必要です。もう一つのストレスそれは物理的ストレス運動です。ではどのくらいの運動が理想的かこれはメイヨークリニックのチームが運動の強度による効果の違いを調べています。サバイバル回路をもっともよく動かしたのはインターバルトレーニングでした。1回15分の有酸素(ゆっくりした)運動中に約5回(3分に1回)無酸素運動(息をつめた激しいスパート)を20秒~30秒取り入れるまとめるとサバイバルの若かえりの為には1週間に2回、食事を減らす必須アミノ酸が全て入った食物(肉、魚、卵、牛乳)を出来るだけ減らす必須アミノ酸がアンバランスな食物(野菜、豆類)を出来るだけたくさん食べる1日15分の(週3日30分も同じ)インターバル運動を取り入れるこれで120歳まで健康なまま生きれる世界を手にいれましょう。ハーバード大学グレン生物老化研究所 所長デビッド・シンクレア (訳・まとめ 藤好クリニック 藤好建史)[1] https://books.google.co.jp/books?id=x–oDwAAQBAJ[2] https://totopodejapon.com/okinawa-diet/クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Articleエビに関する意識調査 2021年7月 Next Articleファー(毛皮)の犠牲、ゼロにしよう! 2021/09/16