論文概要
近年ではベジタリアン食の人気が高まっていることから、ベジタリアンと心の健康の関係についての研究上の関心も急速に高まっている。しかし、これに関する先行研究の結果は一貫していないため、ベジタリアン食を実践することが心の健康とどのように関連しているのかに未だ明らかではない。
本調査では、ベジタリアンの心理的背景は一様ではなく、心の健康を調べる際にはベジタリアンの食事選択の背景にある動機を考慮する必要があることを実証する。
ベジタリアン266人と雑食の104人を対象とした調査では、健康の維持を動機とするベジタリアンでは、倫理上の理由を動機とするベジタリアンや雑食の人と比較して、高いレベルの摂食障害が見られることが明らかになった。
さらに、ベジタリアンに対象を限定した媒介分析で、健康上の動機には摂食障害の傾向と正の相関があり、これは間接的に心の健康のスコアの低下と関連していることがわかった。一方、倫理上の動機には向社会的な行動と正の相関があり、そのために心の健康の向上が予測されることが明らかになった。
これらの結果は、食事の動機が異なるベジタリアンにおいて心の健康を理解し、それを促進するための介入策を開発するうえで重要な示唆を与えるものである。
Xiaoyu Dai & Angela K.-Y. Leung
2024/04/25
Motivations matter: moral and health-related motives indirectly relate to differential psychological health indicators among vegetarians
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