論文概要
背景と目的: 赤肉や加工肉を含む食事は消化器系がんのリスク増加と関連があるとされている。プラントベース食ががん予防に有効であるかどうかに関しては高いレベルの統計的知見が必要である。
方法: 本研究のメタアナリシスでは、PubMed・Medline・Embase・Web of Science・Scopusを含む5つの英語データベースを用いて2021年10月24日までに発表された論文を検索した。対象となったのはプラントベース食と消化器系がんの関連を報告したコホート研究または症例対照研究である。要約効果量の推定には95%信頼区間を付したリスク比(RR)またはオッズ比(OR)を用い、ランダム効果モデルを用いてこの推定値を評価した。研究間のばらつきを評価するため、ランダム効果マンテル・ヘンツェルモデルで得られた異質性を不一致性に関する指標(I² )およびタウ2乗値(τ²)を用いて定量化した。
結果: 得られた結果はコホート研究および症例対照研究で同様であった(調整 RR = 0.82, 95% CI: 0.78-0.86, P < 0.001, I2 = 46.4%, Tau2 = 0.017 および調整 OR = 0.70, 95% CI: 0.64-0.77, P < 0.001, I2 = 83.8%, Tau2 = 0.160)。データデータ全体に関する分析では、プラントベース食が消化器系腫瘍のリスクに対して予防的に作用することが結論された。サブグループに限定した分析では、プラントベース食によってがんのリスクが低下することが明らかになった。特にこうした予防的効果がコホート研究で見られたのは、膵臓がん(調整 RR = 0.71, 95% CI: 0.59-0.86, P < 0.001, I2 = 55.1%, Tau2 = 0.028)、 大腸がん(調整 RR = 0.76, 95% CI: 0.69-0.83, P < 0.001, I2 = 53.4%, Tau2 = 0.023)、直腸がん(調整 RR = 0.84, 95% CI: 0.78-0.91, P < 0.001, I2 = 1.6%, Tau2 = 0.005)、結腸がん(調整 RR = 0.88, 95% CI: 0.82-0.95, P < 0.001, I2 = 0.0%, Tau2 = 0.000)であった。これらの相関関係の強さをヴィーガン食とその他のプラントベース食でZ検定を用いて比較したところ、有意差は認められなかった。
結論: プラントベース食は消化器系がんに対する予防効果があり、がんの種類が異なっていてもこうした傾向に有意差は認められなかった。
原文タイトル:The Relationship Between Plant-Based Diet and Risk of Digestive System Cancers: A Meta-Analysis Based on 3,059,009 Subjects
論文著者:Yujie Zhao, Junyi Zhan, Yongsen Wang, Dongli Wang
公開日: 2022/06/03

