論文概要
さまざまな動物たちが生産システムの中で飼養されており、そのウェルフェアを改善することを目的とした研究は増加している。こうした中で十脚甲殻類に感覚があることが認識されるにつれ、エビのウェルフェアに関して懸念が持たれるようになった。エビの養殖においては、アニマルウェルフェアの原則に反する行為が行われているが、消費者にはほとんど知られていない。
本研究では、エビの養殖におけるアニマルウェルフェアを段階的に改善することに対するブラジル人の認識について、社会的・文化的な側面を考慮に入れながら検証した。ブラジルの成人参加者300名が、エビのウェルフェア・感性・眼球切除に関する質問に回答した。
回答者のうち75.7%がエビのウェルフェアに関して懸念を示し、エビが恐怖(63.0%)や痛み(84.0%)、喜び(47.7%)を感じていると考えていた。喜びに関するこの結果は、エビにポジティブな感情があることをあまり認めたくないという姿勢を示唆している。
眼球切除については、回答者の81.7%はそのような慣行について知らなかったが、簡単な説明が与えられると、81.3% は容認できないと考え、84.0%がこうした慣行によってエビが苦しんでいると考えていた。ほとんどの回答者は、「痛い・残酷・苦しい・金儲け・野蛮・切断する」といった言葉を切除行為と結びつけていた。
また、ピアソンのカイ二乗検定では、性別・年齢・地域・教育水準・社会経済的な地位・職業・消費の頻度が、エビのウェルフェアに関する考え方や、エビの感性についての認識と関係していることがわかった。したがって、社会からの懸念が生産方法の変化を促すことが認識されれば、エビの感性についての理解や養殖に関する知識が向上し、社会的に受け入れられる生産方法を推進するうえで有益である。
Gabriela Bussi de Oliveira, Pedro Griczinski, Ana Silvia Pedrazzani, Murilo Henrique Quintiliano, Carla Forte Maiolino Molento
2023/12/28
Brazilians' perception of shrimp sentience and welfare