論文概要
Twitterのハッシュタグ #veganuary(ヴィーガニュアリー、ヴィーガン vegan と1月 Januaryからの造語)は、2022年から52,000件以上のツイートにおいて使用された。本稿ではこの例を用いて、新たな消費トレンドが出現するタイミング、その大きさ、そこにある感情などに関して、ソーシャルメディア分析が重要な知見を提供できることを示す。ソーシャルメディア分析は、ソーシャルメディアで得られるデータを分析するための手法で、その用途は広がりつつある。消費者・政治家・企業家を含む、食品のバリューチェーン(価値連鎖)*におけるすべての利害関係者がソーシャルメディア上に存在し、食品と農業の様々なトレンドについて話し合っている。
ここでは、「ヴィーガン・チャレンジ」を例に、ソーシャルメディア分析の多様な手法を組み合わせることで、食のトピックに関する世論に関して幅広い洞察が得られることを概論的に紹介する。Twitterで #veganuaryの付いたやり取りでは、利害関係者らはほとんどの場合、肯定的な意味合いで議論していた。ヴィーガン・チャレンジは、競争的な性格を持った強力なマーケティング・キャンペーンとして分類することもできる。#veganuaryはまた、Twitter上で、菜食主義や気候危機などのトピックについてのツイートでもよく議論されている。新たな食のトレンドや広まりつつある食のトレンドに関する消費者調査のために、ソーシャルメディア分析は古典的な分析ツールを拡張し、多くの調査研究の機会を提供できる。
* 製品やサービスが顧客に提供されるまでの一連の事業活動を価値創出の連鎖として捉えたもの
Larissa S. Drescher, Carola Grebitus, Jutta Roosen
2023/08/12
Exploring food consumption trends on Twitter with social media analytics: The example of #Veganuary