論文概要
現代の食料システムは健康的でも持続可能でもなく、特に高所得国において食肉消費は過剰なレベルにあり、問題となっている。フレキシタリアンは肉の消費を減らす、または制限する食事のパターンであり、こうした食生活を選択する消費者が増えている。このサブグループは拡大しつつあるが、こうした人々がどのように肉を食べているのか、その消費パターンに関する知見は限られている。
本研究では、自らをフレキシタリアンと考えている消費者を対象として、肉を食べる頻度、各種の肉(牛肉・鶏肉・豚肉・羊肉)および魚の消費量、肉の消費量を減らすことに関する意欲の違いについて調査した。また、食生活の動機に関するさまざまな違いについても検証した。
オーストラリアのフレキシタリアン 717名を対象としたオンライン調査データから、フレキシタリアンに関して明瞭に異なる5つのセグメントを特定した。これら5つのセグメント全体では、肉の消費頻度の違いによって、肉食を控えるパターンには「肉を大幅に減らす人」(参加者の14%)、「中程度に減らす人」(36%)、「少し減らす人」(50%)という、3つの異なるレベルがあることがわかった。
5つのセグメントの全てにおいて、フレキシタリアンの食生活を選ぶ動機として最も多かったのは健康であった。また、「大幅に減らす人」のセグメントに含まれる消費者では、アニマルウェルフェアに関する懸念が強い動機となっており、このセグメントは少数であるが将来的にベジタリアンやヴィーガンの食事パターンを選ぶ可能性が最も高い。
食肉消費の削減においてそれぞれのセグメントには特有の障壁および促進の要因があり、食肉の消費をより大きく削減するためには、こうした要因にターゲットを絞った介入策が必要であると考えられる。
Lenka Malek, Wendy J. Umberger
2021/10/03
How flexible are flexitarians? Examining diversity in dietary patterns, motivations and future intentions