論文概要
世界の食糧システムに関する分析では、食生活を持続可能なものに移行させることが喫緊の課題となっているが、現代世界のフードレジームにおいてこれをどのように達成するのかについては十分に検討されていない。
本稿では、過去70年間に8カ国で食生活の大きな転換を促した要因を検証する。トランジション理論とフードレジーム論に基づき、第2次世界大戦後に3つの食料品(養殖ティラピア・牛乳・鶏肉)の消費に起こったシフトについて、多様な学問分野で得られたデータを用いて再検討する。
商品システムと食生活に大規模な転換が起こったのは、公的資金によって生み出された技術革新が、国家および国家間の政策的枠組みによる支援のもとで民間部門によって拡大されたときであり、さまざまな経路を介して商品システムにおける転換と食糧システムにおける移行が結びついていることを明らかにする。
我々の分析は、持続可能性に向けた移行には、公共政策によるリーダーシップと民間部門による技術革新が必要であり、それと同時に、文化的に健康的で持続可能な食生活に価値を見いだし、それを購入できる消費者が必要であることを示唆している。
Emily Moberg, Edward H. Allison, Heather K. Harl, Tressa Arbow, Maya Almaraz, Jane Dixon, Courtney Scarborough, Taryn Skinner, Laura Vang Rasmussen, Andrew Salter, Xin Gen Lei & Benjamin S. Halpern
2021/04/15
Combined innovations in public policy, the private sector and culture can drive sustainability transitions in food systems