論文概要
オーストラリアでは、アニマルウェルフェアに関する法整備は「社会の期待」に影響されている。動物愛護法に関する一般に入手可能な情報源は主にメディア記事であることを考えると、オンライン上で議論される情報が世論に影響を与え、結果として動物愛護法改正の取り組みを形成している可能性がある。
本研究では、オーストラリアの動物愛護法に関するニュース記事に対するソーシャルメディア上の言説を調査した。内容分析の対象は、2019年6月1日から2019年12月1日までの6か月間に、動物虐待と罰則に関する通信社発信の投稿についてのFacebookコメントである。 すべての投稿を適格基準に照らしてスクリーニングし、NVivoにインポートして帰納的にコーディングした。累計1,723件のコメントを含む合計24件のFacebook投稿をコード化してテーマ別に分析した結果、次のような6つの主要テーマが生成された:(1)裁判制度の不備 (2)法律の不備 (3)政府の瑕疵 (4)感情的な反応 (5)暴力のリスク (6)メディアへの不信。
ソーシャルメディアの言説は法制度を痛烈に批判しており、その中でも特に動物愛護法の司法制度の不備に焦点が当てられていた。動物愛護法の執行をめぐるこの種の言説は、オーストラリアにおける動物愛護法改正への「期待」に対して、影響力のある役割を果たしている可能性がある。
Rochelle Morton, Kendrew Ngai,Alexandra L. Whittaker
2023/03/04
“Commenting” on Animal Cruelty: A Content Analysis of Social Media Discourse on Animal Law Enforcement in Australia