論文概要
食品が環境へ及ぼす様々な影響は、様々に異なる非常に多くの生産者らによって生み出されている。このような多様性のもとで有効な解決策を見出すため、5つの環境指標、38,700の農場、1,600の食品加工業者、食品包装の種類、小売業者を包含するデータを連結した。
食品による環境への影響は、同じ製品の生産者の間でも50倍にまで異なることがあり、これは影響を緩和するための介入の余地が大きいことを示している。しかし、影響緩和の実情は複雑であり、これは、効果に関する指標の間には相互にトレードオフがあること、影響を軽減するために生産者が採り得る手段が多数あること、サプライチェーンの各段階の間には相互作用があることなどがその理由である。生産者の取り組みによって影響を軽減することには限界もある。
最も顕著な結果は、動物性食品の中で環境への影響が最も小さい製品ですら、影響の大きさでは全般的に植物由来の代替食品を上回っていることであり、このことは食生活の見直しが重要であることを示す新たなエビデンスを提供している。全体として、これらの研究結果から支持されるアプローチは、生産者自身による影響のモニター、手法の選択による柔軟な環境目標の達成、消費者への情報提供を含むものである。
Joseph Poore, Thomas Nemecek
2018/06/01
Reducing food’s environmental impacts through producers and consumers