論文概要
3D フードプリンティングや細胞農業をはじめとする新しい食品技術によって、食感の多様性、食品廃棄物の削減、アニマルウェルフェア、個別化栄養など、食肉や魚類の生産分野における可能性が広がっている。しかし、こうした技術は依然として消費者の抵抗に遭っている。
これまでの研究では、従来の肉や魚が他の代替食品と同時に比較されることはなかった。そこで本研究では、スイスの消費者がこれらの代替食品をどのように受け入れているかについて、健康性に関する認識・購買意欲・食べる意欲・環境への配慮に関する認識の観点から分析した。
消費者の受容に関するこれら4つの指標について、従来の肉・魚を以下の代替食品と比較した—3Dプリンターで作られたプラントベースの肉・魚、培養で作られた肉・魚、3Dプリンターと培養で作られた肉・魚、プラントベースの肉・魚、3Dプリンターで作られた副産物の肉や魚。
その結果、プラントベースの代替食品が最も優れているのに対し、3Dプリントした副産物の肉や魚の代替食品は、消費者の受容に関する4つの尺度のすべてで最も劣っていることがわかった。また、肉・魚の代替食品を食べる意欲に関しては、健康性や環境への配慮に関する消費者の認識が最も重要な予測因子であると思われる。
これらの結果から、3D フードプリンティングと細胞農業に対する受容を推進するうえでは、こうした新しい食品がもつ健康と環境の面での利点を伝えることが重要である。
Madeleine Lanz, Christina Hartmann, Paul Egan, Michael Siegrist
2024/01/10
Consumer acceptance of cultured, plant-based, 3D-printed meat and fish alternatives