論文概要
アニマルウェルフェアに対する関心は消費者と企業の双方で高まりつつあり、消費者がアニマルウェルフェア製品を選ぶ動機を明らかにすることは学術的に極めて重要である。
本研究ではまず、権力を持った消費者*がアニマルウェルフェア製品を選ぶのは、サプライチェーンにおける動物のように力のない弱い犠牲者に対する責任を(権力を持っていない消費者よりも)強く感じるためであることを明らかにする。
しかし、動物が擬人化された場合、権力のない消費者は、(権力を持つ消費者に比べて)アニマルウェルフェア製品をより好むようになる。こうした逆転が起こるのは、擬人化された動物はより自律的で能力があるものとみなされるため、権力を持つ消費者と権力のない消費者が抱く責任感には違いがなくなるためである。この場合、権力のない消費者は(権力を持つ消費者に比べて)弱者との絆を感じるために、擬人化された動物により強い親近感を抱くようになる。
本研究の結果は、アニマルウェルフェア製品の普及を目指す事業家に、経営上の示唆を与えるものである
* ここでは、政治家・企業経営者・組織のリーダーなど、組織や社会の中で意思決定や行動を左右する立場にある人を広く意味している
Sunyee Yoon, Danny JM Kim, Jeffrey P. Boichuk
2025/02/01
Preference for animal welfare products: The effect of power and animal anthropomorphism
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2022/12/17発表