論文概要
目的: 健康と環境の持続可能性の目標を達成するために、肉の摂取量を減らすことが推奨されている。本研究の目的は、オンラインの自己管理によって食肉の消費量を減らす介入プログラムの有効性を検証することである。
方法: 肉を食べる成人1501人を、多要素の自己管理プログラムを与える介入群と情報のみを与える対照群に1:1の割合で無作為に割り当てた。研究の期間は9週間で、1週間の自己モニタリング、4週間の介入実施、4週間の維持期を含んでいた。介入プログラムは、目標設定・自己モニタリング・行動計画・健康と環境に関するフィードバック要素で構成されていた。肉の摂取量は、第1週・第5週・第9週に毎日のアンケートによって推定した。主要アウトカムはベースラインから5週目までの肉消費量の変化、副次的アウトカムはベースラインから第9週までの変化、および赤身肉と加工肉の摂取量の変化であった。線形回帰モデルを用いて、上記すべてのアウトカムの有効性を評価した。
結果: 介入群・対照群を合わせた全体の肉の摂取量は、ベースラインで226g/日、5週目で118g/日、9週目で114g/日であった。5週目における肉の摂取量は、介入群では対照群と比較して40g/日減少し(95%CI – 11.6, – 67.5, P = 0.006)、このうち赤身肉と加工肉の減少分は35g/日(95%CI – 7.7, – 61.7, P= 0.012)であった。4週間の維持期の後における肉の摂取量では、介入群と対照群の間で減少量に有意差はなかった(介入群では対照群に比して12g/日の減少、95%CI 19.1, – 43.4, P = 0.443)。参加者らは、介入は有益で驚くべき経験だったと感想を述べていた。
結論: 今回の介入は参加者には好評で、初期には肉の摂取量を減少させるうえで有効だったが、長期的な減少幅では対照群を超えることはなかった。
Kerstin Frie, Cristina Stewart, Carmen Piernas, Brian Cook & Susan A. Jebb
2022/03/04
Effectiveness of an Online Programme to Tackle Individual’s Meat Intake through SElf-regulation (OPTIMISE): A randomised controlled trial