論文概要
歴史的にベジタリアニズムが支持される理由には5つのカテゴリーがあり、個人の健康、動物に対する共感、食を介したアイデンティティおよび集団への帰属感、畜産が環境に及ぼす長期的な影響に対する懸念、食肉に要する費用についての経済的な理由に大別されるが、これらのうち一つまたはそれ以上を含めたものがベジタリアニズムの根拠となってきた。
新型コロナウィルス感染症 COVID-19が出現し、それに伴う社会的・経済的な変化が世界中に広がる中で、ベジタリアニズムを支持する第6の根拠として浮上しているのは、他者の健康に対して直接的な影響があることへ懸念から肉の消費を控えるというものである。
アルゼンチン・フランス・インド・アメリカは、経済発展のレベルが異なり、歴史的に見てベジタリアニズムとの関わりもさまざまに異なるが、こうした言説はこれらの国々のオンライン・ニュースサイトのコメントを通してデジタルメディアに出現しており、本稿ではこれについて検証する。
こうした新たな主張は、ベジタリアニズムが歴史的に肉食を忌避してきた根拠をさらに強化しているが、その一方でベジタリアニズムに関するさまざまな言説は、新型コロナウィルス感染症が屠殺場や食肉加工工場で拡散したことに関連して、移民・公衆衛生・資本主義・市場システムについて以前から存在する世界観と密接に絡み合っている。
Steven Ammerman, Monica L. Smith
2023/01/10
Vegetarianism in the pandemic era: Using digital media to assess the cultural politics of meat avoidance during COVID-19
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