論文概要
ここ数十年の間に、ヒトと環境の健康にとって有益であるとして、プラントベースの食事に対する関心が高まっている。しかし、プラントベース食の定義はさまざまに異なっている。プラントベース食について現在使われている定義の範囲は広く、あらゆる動物性食品を排除するものから、肉・魚・乳製品を様々な割合で含むものまでが含まれる。
この総説の目的は、プラントベース食の用語が栄養介入研究においてどのように使われているか、プラントベース食にはどのような種類の食品が含まれているか、の2点について調べることである。2つのデータベースを検索した結果、「プラントベース食」という用語は、研究者や臨床医によってさまざまに異なった意味で認識されていることが明らかになった。
プラントベース食による介入を含む研究のうちの50%では、動物性食品を完全に禁止し、プラントベース食の用語を、ヴィーガン食と同じ意味で使用していた。一方、約33%は乳製品を含む試験研究であり、20%では半ベジタリアンの食事パターンであることを強調していた。具体的な例に基づいて、「プラントベース食」という包括的な用語を使うことが、極めて大きな曖昧さの原因となっていることを明らかにする。
プラントベース食を用いた介入研究の記述はしばしば不十分であり、研究の比較や再現性の検証が困難となっている。このため、今後の研究で「プラントベース食」の用語を用いる際には、併せて詳細な食事内容を必ず記述することが求められる。このプロセスを推進するため、プラントベース食による介入内容を報告するための標準化されたチェックリストを提供する。最後にはまた、プラントベース食の用語および内容の定義について、早急にコンセンサスを得る必要があることを強調する。
Maximilian Andreas Storz
2021/10/21
What makes a plant-based diet? a review of current concepts and proposal for a standardized plant-based dietary intervention checklist