論文概要
アメリカ・ライフスタイル医学会 American College of Lifestyle Medicine では、加工度の低い野菜・果物・全粒穀物・豆類・ナッツ類・種子類など、プラントベース食品を中心とした食生活を推奨している。どのようなレベルであれ、プラントベースの食事を取り入れることで、さまざまなメカニズムを通じて健康を改善することができる。
プラントベース食品の摂取量を増やすことによって、食物繊維の摂取量が増え、飽和脂肪の摂取量が減り、必須ビタミンやミネラルの摂取量が増えるなど、健康にとって良い効果が得られることが多い。このような利点が期待できるにもかかわらず、多くの人々は普段の食生活を変えることに消極的であったり、抵抗感があったりするほか、食生活の変化を長期にわたって持続できないこともある。
その主な原因は、個人がプラントベース食を取り入れることを決める際には、動機に関わる要因や優先順位、あるいは植物性食品の栄養素の妥当性についての誤解など、さまざまな事情が影響していることにある。ここでは、アメリカ・ライフスタイル医学会の年次大会LM2023のセッションの要点について述べる。
具体的には、プラントベース食について一般的に持たれている先入観を再検討し、プラントベース食の採用や遵守に対する障壁を取り除くためのガイダンスを提供するとともに、プラントベース食の健康上の利点の根拠となる主要な文献について詳しく解説する。最後に、「医食同源 Food is/as Medicine」のアプローチをサポートするために、プラントベース食がヘルスケアや臨床現場でどのように広く実践されつつあるかについて述べる。
Matthew J Landry, Catherine P Ward
2024/03/14
Health Benefits of a Plant-Based Dietary Pattern and Implementation in Healthcare and Clinical Practice