論文概要
食品を市場で成功させるためには、ポジティブな感情に結びつくことが重要となる。しかし、プラントベースの代替肉に対する情動反応についてはほとんど知られていない。本研究では、プラントベースのハンバーガーと肉ベースのハンバーガーについて、食物から想起される感情を調査し、ハンバーガーに対する好感度や選択した動機との関連を調べた。オンライン調査で、オランダの成人279人(肉を食べる人とフレキシタリアン)に、プラントベース・バーガーと肉のバーガーの写真をランダムに提示した。参加者は、それぞれのハンバーガーを食べることを想像し、そこで誘発・体験されると予想される13項目の感情や好感などについて7段階のリッカート尺度で評定した。参加者にはまた、2つのハンバーガーのうちどちらを選ぶか示すことを求めた。
その結果、プラントベース・バーガーを食べる場合、肉のバーガーと比較して、「誇り」や「クール」をより強く感じ、「罪悪感」や「心配」をより弱く感じるとされていた(p<0.05)。対照的に、肉のバーガーを食べたときは、より「幸せ」を感じ、「退屈」を感じないと予想されていた(p < 0.05)。予想される感情のうち、「満足」(B = 0.30)、「不安」(B = 0.22)、「心配」(B = -0.30)は、予想されるプラントベース・バーガーへの好感度と有意に関連し、プラントベース・バーガーへの選択は主にフレキシタリアンであることと関連していた(B = 0.28)(すべてp < 0.05)。
本研究は、プラントベースと肉ベースのハンバーガーに予想される感情的反応について新しく重要な知見を提供するとともに、肉からプラントベースへの切り替えを促す上でターゲットとなる可能性のある感情を特定した。今後の研究では、食物によって誘発されると予想される感情が、(強化のための介入法として)現実的に食物の選択行動やプラントベースの代替肉への嗜好性に影響を与えるかどうかを調査する必要がある。
Elizabeth H. Zandstra, Lilian Ossel, Nicole Neufingerl
2023/11/10
Eating a plant-based burger makes me feel proud and cool: An online survey on food-evoked emotions of plant-based meat