論文概要
プラントベース食には、様々なタイプの身体活動において運動能力を増強する可能性がある。そこで本研究では、身体活動レベルの高い人々におけるプラントベース食の有効性を評価するため、有酸素運動と筋力のパフォーマンス、およびBMIに対するその効果について検証した。
PRISMA 声明の指針に従ってシステマティックレビューとメタアナリシスを実施し、PubMed・Web of Science・SPORTDiscus のデータベースを用いて、関連する研究を検索した。この検索・包含基準にもとづいて、プラントベース食の効果に関する先行研究として、有酸素運動に関する研究4件、および筋力に関する研究6件をシステマティックレビューおよびメタアナリシスの対象とした。
プラントベース食は、有酸素運動のパフォーマンスに関して中等度だがポジティブな効果があり(0.55; 95 % CI 0.29, 0.81)、筋力に対する効果は見られなかった(-0.30; 95 % CI -0.67, 0.07)。有酸素運動と筋力を総合した分析では、プラントベース食を採用したアスリートにおける運動能力には変化がないことがわかった(0.01; 95 % CI -0.21, 0.22)。しかし、BMIをわずかに減少させる効果が見られた(-0.27;95%CI -0.40、-0.15)。
本研究の結果は、プラントベース食には特に有酸素運動におけるパフォーマンスを補強する効果があることを示しており、その一方で筋力のパフォーマンスを低下させることはない。全体として、プラントベース食を遵守することでBMI が低下するとしても、身体的パフォーマンスに対する影響には問題はないと考えられる。
Yancka Oliveira Damasceno, Cauã V F S Leitão, Gabriel Moraes de Oliveira, Fernando Augusto Barcelos Andrade, André B Pereira, Rodrigo S Viza, Renata C Correia, Helton O Campos, Lucas R Drummond, Laura H R Leite, Cândido C Coimbra
2024/03/14
Plant-based diets benefit aerobic performance and do not compromise strength/power performance: a systematic review and meta-analysis