論文概要
母親がヴィーガン食(厳格なプラントベースの食生活)を実践している場合、子どもにどのような食事を選択し、それが日常生活でどのように実践されているかについてはほとんど検討されていない。本研究の目的は、子どもの食事とその与え方に関して、ヴィーガン食を実践する母親がどのような選択をしているのか、またこうした選択を決定している要因について探ることである。ヴィーガン食を実践している母親で、末の子どもが4歳未満の参加者を、ソーシャルメディアやヴィーガン食に関するニュースレターを通じて募集した。
参加者28名の年齢は27~45歳で、ヴィーガン食の遵守歴は0.5~23年であった。計画的行動理論 Theory of Planned Behaviour に基づいた半構造化インタビューをオンラインで実施し、録音されたインタビュー内容を書き起こした。このデータから浮かび上がるテーマを特定するため、ハイブリッド主題分析の手法を用いた。
21人(75%)の女性が子どものためにヴィーガン食を選択したのは、動物性食品を食べることに倫理的な問題を感じていることが主な動機であった。参加者のパートナーがベジタリアンまたは雑食である場合、ほとんどの女性は子供にもベジタリアン(4名)または雑食(3名)を選択していた。全体として、女性たちは十分に考慮したうえで子どもの食事やその与え方を選択していると回答していた。子どもの食事を選択する場合には、さまざまな動機や態度、規範、促進要因と阻害要因、知識などが決定要因として関与していた。
結論として、ヴィーガン食を実践している女性のほとんどは、主に倫理的な動機から自分の子どもにも同じヴィーガン食を選んでいた。母親たちは、ヴィーガン食に対する阻害要因を経験したり、潜在的には悪影響があるかもしれないことを認識してはいるが、熟慮したうえで子供の食事に関する選択をしていると思われる。
Josine Pereboom, Deidre Meulenbroeks, Sanne M P L Gerards, Simone J P M Eussen, Hubertina C J Scheepers, Daisy M A E Jonkers, Jessica S Gubbels
2025/03/21
Mothers adhering to a vegan diet: feeding practices of their young children and underlying determinants - a qualitative exploration