論文概要
「新たな評価手法 New Approach Methodologies (NAMs)」 は、動物を用いることなく化学物質の危険性・安全性に関する情報を提供する方法であり、従来の動物モデルから得られるものと同等、あるいはそれ以上の科学的な質と重要度を持った情報の産出を目標としている。この新しい評価手法への取り組みは倫理的な問題から始まったが、今日では世界のさまざまな機関による規制措置において重要度を増している。2008年、ブラジルにおいて実験動物に特化した最初の法律であるArouca法が制定されて以来、NAMs はブラジルの法規制の中でその進展を速めつつある。
さまざまな分野における具体的な規制には、これらの新しい手法を受け入れることが含まれる。しかし、規制の中には、毒性の評価における具体的なエンドポイントを決めるには何が必要かについて議論のあるものがあり、そのため規制そのものが曖昧になるため、企業は従来の方法を採用し続けることになり、ブラジルにおけるNAMsの推進を遅らせる結果となっている。
本稿では、ブラジル法制において医薬品・医療機器・食品やサプリメント・農薬製品などの政府登録にNAMsを利用することが認可される見通しについて述べ、個別の規制においてNAMsを採用する場合の主な問題点について考察する。以上のように、ブラジルにおいてNAMsで得られた試験結果が法的に認められるにはまだ途上にあるといえる。NAMsの利用について規制当局からの信頼を構築するためには、規制当局と産業界、医薬品開発業務受託機関、学術関係者が共同して取り組む必要がある。
Izabel Vianna Villela, Miriana da Silva Machado
2022/07/22
Brazil's Regulatory Context for Using New Approach Methodologies (NAMs) on the Registration of Products