論文概要
背景: 多くの食事ガイドラインは、動物性タンパク質を植物性タンパク質に置き換えることを推進しており、そこでは健康上の利点だけでなく、より持続可能な食事パターンへの移行を支援することが目的となっている。本研究ではフランス系カナダ人の成人を対象として、動物性タンパク質食品の摂取量が少なく、植物性タンパク質食品の摂取量が多い食事パターンを採った場合に、そこに含まれる食品と栄養素の特徴、および食生活全般に関する質とコストを検討した。
方法: ケベック州において2015年から2017年に実施された「個人・社会・環境レベルの予測因子 PRÉDicteurs Individuels, Sociaux et Environnementaux(PREDISE)研究」に登録されたフランス語圏の成人1,147名について、24時間思い出し法* で評価した食事摂取データを用いた。長期的な食事摂取量と食事のコストは、国立がん研究センターによる多変量解析法を用いて推定した。動物性および植物性のタンパク質食品の摂取量を四段階(Q)に分類し、年齢・性別で調整した線形回帰モデルを用いて、食品と栄養素の摂取量、カナダ人を対象とした健康食指数(HEFI-2019)、および四分位間の食事コストの差を検証した。
結果: 動物性タンパク質食品の摂取量が少ない参加者では、多い参加者に比べて(Q1 vs. Q4)、健康食指数の総スコアは高く(+4.0 ポイント、95%CI : 0.9~7.1)、1日あたりの食事コストは低かった(-1.9カナダドル、95%CI: -2.6~-1.2)。植物性タンパク質食品の摂取量が多い参加者、少ない参加者に比べて(Q 4 vs. Q1)では、健康食指数の総スコアは高かったが(+14.6ポイント、95%CI: 12.4~16.9)、1日の食事コストに差はなかった(0.0カナダドル、95%CI: -0.7~0.7)。
考察: 食生活の持続可能性の観点から見た場合、カナダ・フランス語圏の成人を対象とした本研究の結果は、動物性タンパク質食品の摂取量を減らした食事パターンへの移行することが、より低コストでより質の高い食生活に結び付く可能性を示唆している。一方、植物性タンパク質食品をより多く摂取する食事パターンへ移行することで、コストを増やすことなく食事の質をさらに向上させる可能性がある。
* 構造化されたインタビューで、前日に摂取したすべての食品と飲料に関する詳細な情報を把握する調査方法
Gabrielle Rochefort, Didier Brassard, Sophie Desroches, Julie Robitaille, Simone Lemieux, Véronique Provencher, Benoît Lamarche
2023/04/17
Transitioning to sustainable dietary patterns: learnings from animal-based and plant-based dietary patterns in French Canadian adults