論文概要
ミレニアル世代*1は、フレキシタリアンの食生活によるプラントベース代替肉の消費に関して、カギとなる重要な世代と考えられている。本研究の目標は、肉と代替肉の消費、それらに対する態度によって、ミレニアル世代における消費者セグメントの特徴を明らかにすることである。フィンランドのミレニアル世代を代表するサンプル(20~39歳の546人、うち女性は59%)を対象としてオンライン調査を実施し、肉と代替肉から連想される感情価*2、そうした食品の消費、食事に関連する態度について回答を求めた。
回答者の約41%がプラントベース代替肉を定期的に食べており、43%がそうした食品を試したことがあった。各回答者について肉と代替肉に対する感情価を比較し、これに基づいて全回答者を6つのセグメントに分類した。これらのセグメントは、代替肉の消費量・代替肉を消費する理由・食事における肉の重要性・食肉へのコミットメント尺度(Meat Commitment Scale)のスコアに関して異なっていた。
代替肉よりも肉に対してより肯定的な連想を示したセグメント(回答者の約14%)は、食肉摂取を減らすことを目的とした介入に抵抗する可能性がある。一方、代替肉に最も肯定的な態度を示したセグメント(約18%)は、あまり肉を食べなかった。したがって、連想の感情価が互いに近い4つの中間セグメント(合計~68%)は、今後の介入策において代替肉によって食肉の消費削減を目指すうえで最適なターゲットとなり得る。結論として、簡単なセグメンテーションを導入することで、食肉消費を削減できる可能性の高い消費者層を特定することができた。
*1 主に1981年から1990年代半ばまでに生まれた世代 *2 ここでは、肉・代替肉から連想される好き・嫌いの度合いを「極めてネガティブ」から「極めてポジティブ」まで11段階の尺度で測定している
Antti Knaapila, Fabienne Michel, Kirsi Jouppila, Tuula Sontag-Strohm, Vieno Piironen
2022/02/03
Millennials’ Consumption of and Attitudes toward Meat and Plant-Based Meat Alternatives by Consumer Segment in Finland