論文概要
- 支持政党からのメッセージが、食事の味に対する期待や実際に経験した味覚に与える影響を測定した。
- 共和党支持者では、食肉の味に対する嗜好性、消費の意思、消費量が高かった。
- 民主党支持者では、プラントベース食の味に対する嗜好性、消費の意思、消費量が高かった。
- 政党指導者がプラントベースベース食を支持することで、肉の味に対する嗜好性が低下する可能性がある。
- プラントベース食に対する価値観や社会規範、モラルは政党によって異なる。
味覚は、プラントベース食品の普及を阻む障壁としてよく挙げられる。プラントベース食品の受容はまた、環境への懸念や肉の文化的価値をはじめとする多くの個人関連要因によって抑えられるが、これらの要因は政治的イデオロギーとも関連がある。政治的な帰属意識は個人のアイデンティティとしてますます顕著になっているが、プラントベース食品を受け入れる姿勢との関わりについてはほとんど研究されていない。
政治的なスタンスがプラントベース食品の受容に影響するという仮説を検証するため、我々は2つの消費者研究を計画し、以下の2点について検証した:1)肉およびプラントベース食品の嗜好と行動意図に関して、米国の2大政党の党員の間での違い、2)新しいメッセージング戦略として、政治的党派がプラントベースを推奨する場合に、オンライン調査で事前に期待していた味と会場調査で体験した味に起こる影響。
民主党を支持する回答者による報告では、プラントベース食の味に対して高い期待を示し、購入や消費の意思、摂取する頻度も高かったが、共和党を支持する回答者の報告では、肉の味に対する期待が高く、消費する意思や摂取の頻度は高かった。しかし、プラントベース食に期待する味覚、実際に経験した味覚に対する政治的党派の影響は限定的であった。注目すべきは、支持政党の党首がプラントベース食を推奨した場合、牛肉・豚肉のミートボールの味に対する好感度が低下したことである。
道徳的な満足感、食肉へのこだわり、社会規範などの要因は政治的な立場によって異なっており、これらの要因は、肉およびプラントベース食に対して期待される味、経験される味の感覚と関連していた。政治的な立場を考慮することで、プラントベース食を推進するためにターゲットを絞った効果的な戦略を強化することが可能であり、健康的で持続可能な食の選択肢の受け入れが進む可能性がある。
Jonathan C. Kershaw, Alissa A. Nolden, Adam R. Brown, Tara Hites, Laura K. Jefferies
2023/11/04
Tastiness of meat and plant protein foods are associated with political partisanship and may be influenced by partisan messaging