論文概要
畜産は、温室効果ガスの排出、動物の苦しみ、公衆衛生上の問題における主要な原因として関わっている。この調査では、肉を食べる英国の回答者1000人を対象として、ベジタリアン・ヴィーガンの食生活についての考え方、これから1ヵ月後に肉や動物性食品を消費する意向について尋ねた。
6人に1人はこれから1ヶ月のうちに肉の消費量を減らすつもりであると答え、14%は動物性食品の消費量を減らすつもりであると答えた。大多数の回答者は、ベジタリアン・ヴィーガンの食事は倫理的であり、環境によく、健康に良いことを認めていた。大多数ではまた、ベジタリアニズム・ヴィーガニズムはいずれも社会的に受容できることを認めていた。しかし、ベジタリアン・ヴィーガンの食事については、「難しい」「楽しくない」「高い」という3つの否定的な考えが一貫して見られた。さらに、ヴィーガン食に対する認識は、ベジタリアン食に比べて、ほとんどの面において否定的であった。ベジタリアン・ヴィーガンそれぞれの食事に対する認識には男女間で有意な差があり、また年齢・政治的傾向・教育レベル・収入によって有意な差が見られた。
調査の結果から、肉を食べる人のほとんどは、倫理および環境上の理由からベジタリアン・ベジタリアニズムを支持する議論に賛成しているが、嗜好・価格・利便性に関する実際的な理由から、これらの食生活を実践していないと考えられる。こうした現実的な障壁を解決する可能性のある方法として、動物性食品に代わる新たな選択肢について議論する。最後に、動物性食品を代替し、高品質・低価格で広く入手可能な食品の開発に向けた研究をさらに進める必要性について論証する。
Christopher J. Bryant
2019/12/02
We Can’t Keep Meating Like This: Attitudes towards Vegetarian and Vegan Diets in the United Kingdom