論文概要
他者に人間的な性質があることが認識されると(人間化)、その他者に対する扱いは一般に好意的なものになる。最近の研究では、動物や地球など、人間以外の存在もまた人間的な性質を持つとみなされると(擬人化)、恩恵を受けることがわかっている。人間化によるこうした恩恵は、人々が消費する動物にも及ぶのだろうか?
この問題を取り組むために、2つの研究を行った。2つの研究において参加者に最初に与えられた課題は、対象となる動物について短い文章を書くもので、その内容は動物を擬人化する見方を引き出すように考案されていた。これに続いて、今後の食生活に関する参加者の意向、および人間の利益が動物や環境の利益と対立するジレンマ状況における参加者の意思決定について調べた。対象となる動物は、研究1(58名)では牛であり、研究2(146名)では牛と豚であった。
主要な結果は、擬人化による効果がジェンダーによって異なったことであり、これは2つの研究において一貫していた。女性は対照条件と比較して、食用動物を擬人化した後、牛肉を食べることにあまり関心を示さず(研究1)、肉を含まない食事を試すことに意欲を示した(研究2)。一方、男性では、食用動物を擬人化した後、牛肉を食べることへの関心が高まり、肉を使わない食事を試す意欲は低下していた。このような性差は、動物に対する見方や肉を食べることに対する考え方が男女間で異なることから生じたものと解釈できる。
肉を食べる意向について見られたこのパターンは、動物に関するジレンマにおける意思決定では見られなかった。従って、食用動物を擬人化することは、その動物にとって一律に利益があるわけでも害であるわけでもなく、その効果は擬人化する人間のジェンダーによって異なる。
Craig Johnson, George Schreer, Katherine Jacobs Bao
2021/05/13
Effect of Anthropomorphizing Food Animals on Intentions to Eat Meat