論文概要
動物実験に関する3R の原則*1 は、発表以来、生物医学研究や(医薬品等に関する)規制科学研究をより倫理的かつ人道的なものとするための礎となってきた。3R の原則は、EU 指令 63/2010/EUに盛り込まれており、欧州においては科学的にみて可能な限り早期に、科学や教育のために動物を用いる手法を完全に置き換えることが最終目標となっている。
このように欧州では、生物医学や規制科学の研究における動物の利用に関して、重大な議論の転換を迎えつつあり、こうした「代替 replacement」の原則を満たすことは、倫理的に求められているというよりは、科学研究としての必要条件となりつつある。近年、3R センター*2 は欧州各地で設立されているが、アイルランドには今日に至るまでこのような機関はなく、3R 原則のうち、特に「代替」の原則の導入は遅れている。この解説では、生物医学や規制科学における動物モデルの利用についてアイルランドの状況を紹介し、基礎研究から応用研究・トランスレーショナル研究まで、アイルランドの生物医学研究を欧州全体の3R 戦略と協調させるうえで最も重要と思われる措置について述べ、その実施を強く求める。
*1 方法を改善して動物の苦痛を軽減する Refinement、使用する動物の数を減らす Reduction、動物実験の代替法を活用する Replacementの3つの原則を指す
*2 本稿で言及されている欧米各国の3Rセンターは以下を参照 https://norecopa.no/search?fq=cat:%223R%20Center%22&fq=db:%223r%22&sort=name_s%20asc&q=*&facet.limit=125
Viola Galligioni, Dania Movia, Daniel Ruiz-Pérez, José Manuel Sánchez-Morgado , Adriele Prina-Mello
2022/04/21
The Case for Modernizing Biomedical Research in Ireland through the Creation of an Irish 3Rs Centre