論文概要
赤身肉や加工肉の過剰摂取は、健康に様々な悪影響を及ぼしている。先行研究では、広告メッセージが食行動に影響を与えていることが明らかにされているが、特に食肉に関する広告が及ぼす影響について調べた研究は乏しい。
合理的行動理論に基づいて計画したこの実験では、マクドナルドの印刷広告のうち、肉のイメージ(ビッグマック)を含むもの、肉を含まない食品のイメージ(フライドポテト)を含むもの、対照条件として食品を含まないもの(マクドナルドのロゴとスローガンのみ)のいずれかを見るように、参加者を無作為に割り付けた。オンライン調査において米国の成人514名(平均年齢 51歳)を対象とした。
肉のイメージを見た参加者は、そうでない参加者と比較して、肉を食べたいという欲求が強くなったと報告した。また、肉のイメージを含む条件と対照条件では、肉を含まない条件と比較して、肉の概念に対する認知的アクセシビリティ(肉の概念がどれだけ速く思い浮かぶか)が有意に強くなっていた。
肉を食べたいという欲求は、週に1日は肉を食べないという行動変化に対する態度や規範的圧力、行動統制感と有意に関連していた。このような行動変化との関連は、肉の概念に対する認知的アクセシビリティでは見られなかった。これらの心理構成要素からは、食肉を回避する意思および意欲を予測することができた。
以上の結果は、広告における肉のイメージへの暴露が肉の消費行動に対して影響を与えていることを示しており、食肉の消費削減を促す公衆衛生キャンペーンにおいて肉のイメージを用いることには注意する必要があることを示している。
Morgan E. Ellithorpe, Geraldine Zeldes, Elizabeth Dorrance Hall, Manuel Chavez, Bruno Takahashi, Amy Bleakley, Julie Plasencia
2022/05/02
I’m Lovin’ It: How Fast Food Advertising Influences Meat-Eating Preferences