論文概要
背景・目的: 食習慣は、健康に影響する最も重要な決定要因のひとつである。本研究の目的は、プラントベースの食生活を送る人々を対象とした栄養学的な評価と心血管系の健康状態の検証である。
方法: 研究参加者は合計199人(女性136人・男性63人、平均年齢33.9±8.9歳)で、このうちヴィーガンは50人、ベジタリアンは101人、雑食の人は48人であった。分析においては、質問票によるインタビュー・身体測定・血圧測定・血液検査から得られたデータを検証した。食事のパターンは、食物摂取頻度調査票と24時間思い出し法*で評価した。
結果: ヴィーガンは他のグループと比較して、タンパク質の摂取量が最も少なく(p < 0.05)、多価不飽和脂肪酸の摂取量が有意に多く、コレステロールの摂取量が少なかった(p < 0.05)。ヴィーガンでは、血清コレステロール・LDLコレステロール・中性脂肪・空腹時血糖・C反応性蛋白の値が有意に低かった(p < 0.05)。ヴィーガンとベジタリアンの参加者には過体重や肥満は見られなかった。また、ヴィーガンの参加者には空腹時血糖の異常や高値血圧はまったく見られなかった。高脂血症は雑食の人の56.2%、ベジタリアンの26.7%、ヴィーガンの16.0%に認められ(p < 0.05)、高値血圧はベジタリアンでは1人、雑食の人では6.2%に認められた。
結論: 本研究では、プラントベースの食事を摂った場合、伝統的な食事に比べて、心血管系のプロファイルはより良好であることが明らかになった。研究結果はさらに、必須栄養素の摂取量が最適でないことから、食事パターンにかかわらず、公衆衛生として実効性のある介入策や栄養指導の強化が求められることも示している。
* 構造化されたインタビューで、前日に摂取したすべての食品と飲料に関する詳細な情報を把握する調査方法
Oliwia Grygorczuk, Martyna Mrozik, Anna Lipert, Sylwia Kamińska, Adam Białas, Wojciech Drygas, Ewa Rębowska, Stanisław Łęgocki, Anna Jegier, Katarzyna Szmigielska, Magdalena Kwaśniewska
2024/10/10
Cardiovascular Health and Diet Quality among Vegetarians, Vegans and Omnivores: Insights from a Large Urban Population in Poland