論文概要
世界保健機関(WHO)によれば、肥満は1970年代から3倍近くにまで増加している。肥満と過体重は、主要な危険因子として心血管疾患・糖尿病・炎症性疾患・その他の重篤な疾病と関連している。さらに最近のデータでは、肥満・過体重・糖尿病・心血管疾患は新型コロナウィルス(COVID-19)感染に関連した死亡率の危険因子であることが示唆されている。
過去20年間においては、体重コントロールのためにさまざまな戦略が導入されてきたが、残念ながらほとんど何の効果も見られていない。その一方で多くの研究から、プラントベース食品が体重コントロールのための戦略を成功させる鍵になる可能性があることが示されている。
システマティック・レビューに関するPRISMAガイドラインに従って、PubMed・Web of Science・Scopus・Embaseのデータベースにおいて、肥満・肥満症・ヴィーガン・プラントベース食などのキーワードを使って検索を行った。その結果、ヴィーガン食は、腸内細菌叢の改善・インスリン感受性の強化・ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体の活性化・ミトコンドリア脱共役タンパク質の過剰発現などとの関連があることがわかった。
ヴィーガン食の主な特徴は、カロリー密度の低下とコレステロール摂取量の低減にあり、これら2つの要素が組み合わさることによって、体重コントロールのためにこのアプローチが効率的なものとなっている。我々のデータは、プラントベースあるいはベジタリアン食が、減量のための今後の戦略において重要な役割を果たす可能性を示唆している。
Ivanova, S., Delattre, C., Karcheva-Bahchevanska, D., Benbasat, N., Nalbantova, V., Ivanov, K.
2021/12/08
Plant-Based Diet as a Strategy for Weight Control