人類と地球の健康のためのプラントベースの食生活

新型コロナウイルスのパンデミックは、世界経済をリセットすると同時に、地球環境を立て直し、気候温暖化を1.5℃以下に抑える好機をもたらした。先進諸国においては、これを機に赤肉の削減目標を約束し、プラントベースの食事パターン…

個人・社会・地球の健康のためのプラントベース食

食事に関連した慢性疾患の罹患率と死亡率は世界的に増加しつつあり、質の悪い食生活とカロリーの過剰摂取がこれを引き起こしている。同時に、世界の食料生産システムは地球の資源を枯渇させつつもあり、環境と将来の食料安全保障は危機に…

動物性食品の機会費用はすべての食品ロスを上回る

食品ロスは、食料安全保障と環境の持続可能性を損なうものとして広く認識されている。しかし、生産過程で大量の資源を必要とする食品を消費することもまた、より効率的で同等の栄養価を持つ代替食品の消費と比較すれば、実質的な食品ロス…

米国における持続可能なプラントベース食への移行

プラントベースの食生活が人類と地球の健康を促進することは、これまでの研究結果が一貫して示している。動物性食品の大規模生産を縮減することは環境面からみて有益であり、これは畜産チェーン全体が、温室効果ガスの排出・土地の変化と…

小さな目標で食生活を変えるだけで、健康と環境に大きな利益をもたらす

健康を促進し、環境的に持続可能な食品を特定するため、健康に関する栄養学的指標と環境に関する18項目の指標を組み合わせ、個々の食品を評価・分類し、優先順位を付与した。特に栄養に関しては、健康栄養指標を開発し、米国の食事に含…

ステータスの高い人が模範を示す:気候変動緩和におけるミッシングリンクを探る

人々の行動の変化は、温室効果ガスの排出を速やかに削減し、危険な地球温暖化を防止するうえで大きな可能性がある。最もインパクトのある変化としては、飛行機の利用を減らす、肉食を減らす、電気自動車を運転する、家庭のエネルギー効率…

プラントベース食と体重・BMI・腹囲の低下 オーストラリアの高齢女性におけるコホート研究

目的: 高齢女性におけるプラントベース食と過体重・肥満の関連を調査するため、肉を習慣的に食べている人のデータと比較する。 研究デザイン・設定・参加者: 「オーストラリア女性の健康に関する縦断的研究」における1946年から…

現代の食生活における肉の消費は、余剰エネルギーを供給して肥満の有病率を増加させる

背景: 食事からの過剰なエネルギー摂取が、世界的に肥満が蔓延する主な原因であることはわかっている。しかし、食事に含まれる食品群の構成が異なる場合にもこれが当てはまるのかは明らかではない。本研究では、主な食品群の入手しやす…

フランドル地方の成人における食生活の変化:10年間の傾向分析

目的: プラントベースの食事が健康への有益であることは明らかであるが、社会全体の食事パターンがよりプラントベースの方向へシフトしているかどうかは明らかではない。本研究では、フランドル地方の成人における10年間の食事パター…

ポーランド都市圏のベジタリアン・ヴィーガンにおける心血管系の健康

背景・目的: 食習慣は、健康に影響する最も重要な決定要因のひとつである。本研究の目的は、プラントベースの食生活を送る人々を対象とした栄養学的な評価と心血管系の健康状態の検証である。 方法: 研究参加者は合計199人(女性…

フランダースにおける食事パターンの進化:ベストセラー料理本のレシピに関する生態学的傾向研究

背景: 欧米社会において肥満率は上昇を続けており、食事パターンの変化を分析することは極めて重要である。栄養学的調査はこれに関して有益な情報をもたらすが、その一方で伝統的な料理本のレシピ集は各国に固有の料理とその歴史的な変…

EAT-Lancet 食の遵守と認知機能の老化

背景: EAT-Lancet委員会では、持続可能で健康に良い食事パターンを提案している。しかし、この食事が高齢者の認知機能に与える影響については未だ調査されていない。そこで本研究では、EAT-Lancet食* を遵守する…

赤身肉の消費に対する、健康と環境からの警告メッセージの有効性

背景: 米国は、一人当たりの赤身肉の消費量が世界で最も多い国のひとつである。赤身肉の消費を減らすことは、食生活が環境に与える影響を最小限に抑え、健康状態を改善するために極めて重要である。警告メッセージは、砂糖入り飲料のよ…

赤身肉による健康と環境への害、米国の保護者の認識

目的: 赤身肉が健康と環境に与える害についての知見は増えつつあるが、肉の消費を減らすためのメッセージにどのような害を含めるのが最も効果的かについてはほとんど知られていない。本研究では、消費者が赤身肉についてどのような害を…

肉と男らしさ 伝統的な規範・非伝統的な規範から男性の肉消費を予測する

男らしさのイデオロギーに同調する態度からは、男性における肉の消費量と肉の摂取を削減する意欲を予測することができる。しかし、このような関係が、具体的に男らしさのどのような規範によって説明されるのかは不明である。 本研究では…

オーストラリア・フランス・スペイン・ポルトガルにおけるヴィーガニズム:行動変容の多理論統合モデルによるネトグラフィック研究

ヴィーガニズムとベジタリアニズムの人気の高まりは、市場で大きな注目を集めているが、倫理的で持続可能なこうしたライフスタイルを消費者がどう認識して選択しているかについてはあまりわかっていない。このギャップを解決するために、…

嫌悪感が強まれば、肉の摂取量は減少する

肉を食べることは持続不可能であり、不健康かつ非倫理的であるとの見方は強まりつつあり、人々が肉の摂取を減らすのを支援できる要因を明らかにすることは急務となっている。肉に対する嫌悪感は、そのような要因のひとつであり、これはベ…

男らしさのジレンマを解く:潜在プロファイル分析が特定する男性の肉消費者におけるサブタイプ

パリ協定の気候変動目標を達成するためには、肉の消費を減らすことが必要である。食肉消費を削減するための取り組みでは、世界で最も多く肉を食べている男性消費者をターゲットにしなければならないが、男性は肉の摂取量を減らしたがらな…

英国におけるベジタリアン・ヴィーガン食に対する意識

畜産は、温室効果ガスの排出、動物の苦しみ、公衆衛生上の問題における主要な原因として関わっている。この調査では、肉を食べる英国の回答者1000人を対象として、ベジタリアン・ヴィーガンの食生活についての考え方、これから1ヵ月…

肉食の正当化、生産システムに対する考え方、肉を代替する意欲

肉の消費に対する両面的で相反する感情は、肉を食べる楽しみと同時に引き起こされる、動物を傷つけることへの嫌悪感から生まれる。なんらかの方略によって肉食を正当化することは、このような認知的不協和に対処する手段となる。 本研究…