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多くの人は動物に危害を加えることを避けたいと望んでいるが、ほとんどの人は肉を食べている。理論的には、こうした「肉のパラドックス」は認知的不協和の一種であるが、アニマルウェルフェアと環境に対して及ぼす悪影響は重大である。し…
現代の西洋社会では、消費者は食肉の元になる動物から切り離されていることが多く、これは動物に対する共感を妨げると同時に、嫌悪感や罪悪感を軽減させることで食肉の消費を促進している。逆に、動物の保護を唱える人々は、食肉の元にな…
動物に対する人間の優越性を強く信じている人々は、一般に動物に対する道徳的関心が低い傾向にある。しかし、さまざまに異なる種類の動物に関して人々がどう考えるかは、社会における動物の役割にも左右される。例えば、コンパニオンアニ…
3つの研究において、動物の赤ちゃんから呼び起こされる観念や感情によって、肉を食べたいという欲望を抑制できるかどうかを検証した。先行研究では、動物が赤ちゃんである場合、畜産動物に対する道徳的関心が強まることが明らかにされて…
多くの研究から、菜食主義をはじめとする人々の食生活のスタイルは、動物に向ける道徳的関心に大きく影響することが明確に実証されている。しかし、こうした研究のほとんどは「食用」の動物に焦点を当てているため、どのような範疇の動物…
どのような視点に立つか、見方を変えることは、異なるグループ間の関係に良い影響をもたらすことがある。視点を変えることによるこのような効果が人間以外のグループ、特に動物や人工知性体にも広く一般化するかどうかはこれまで検討され…
規制科学研究は時代とともに変革を遂げてきた。今日、(医薬品などに関する)規制当局による安全性試験は、動物を用いた毒性試験から動物を使わない試験へと移行しており、このような動きは国際的な3R 原則(代替法の利用 repla…
「新たな評価手法 New Approach Methodologies (NAMs)」 は、動物を用いることなく化学物質の危険性・安全性に関する情報を提供する方法であり、従来の動物モデルから得られるものと同等、あるいはそ…
動物実験に関する3R の原則*1 は、発表以来、生物医学研究や(医薬品等に関する)規制科学研究をより倫理的かつ人道的なものとするための礎となってきた。3R の原則は、EU 指令 63/2010/EUに盛り込まれており、欧…
動物を研究に使うことに対して社会的・政治的な関心は広がりつつあるが、本稿では(動物を用いない)新たな評価手法 New Approach Methodologies (NAMs) について、科学・倫理・経済の観点からその論…
実験動物が感覚を持つ生物種で健康状態が良好であるならば、実験が終了した後、あるいは余剰となった場合には、すべてリホーミングさせるべきであり、本稿ではこれが倫理的な責務であることについて考察する。動物倫理に関するさまざま視…
動物実験に関する3R 原則(代替法の利用 replacement, ・数の削減 reduction・苦痛の軽減 refinement)の実施は、EU指令 2010/63において強く要請されている。アニマルウェルフェア委員…
男性のヴィーガンは、雑食の男性と比べて自らをより女性的であると考えているが、それに劣らず男性的であると考えていること、また女性ではこのような違いはないことがわかった。雑食の参加者では肉食のために道徳性を放棄する傾向が最も強く、次いでベジタリアン、ヴィーガンの順であった。人間至上主義についても同じ傾向が見られた。
さらに、食事スタイルは人間至上主義に対する信念と関係していること、それだけではなく食事スタイルを選ぶ動機もまた人間至上主義に対する信念と関係しており、動物に関する動機に比べて、健康と環境に関する動機は人間至上主義の信念との関係が強いことがわかった。
闘牛はこれまで多くの論議を呼んできたが、ポルトガルを含む世界各国で法的には容認されているスポーツ競技である。闘牛が動物に与える痛みや苦しみに対する懸念のために、長年にわたって動物保護団体から注視されてきた。ポルトガルでは…
紀元前4世紀のヒポクラテスの時代から今日に至るまで、動物実験はさまざまな目的のために広く用いられてきた。しかし、研究のために動物を使用することに関しては、長年にわたって論争が続いてきた。本研究では、動物実験に関するスペイ…
※原著論文の要旨の翻訳 大学で行われる倫理の授業は、学生が実際に行う道徳的な選択に影響を与えるのだろうか。本研究は、通常の哲学的倫理学の授業が、自己申告や実験室環境ではない、現実世界での行動選択にどのような影響を及ぼすか…
さまざまな動物たちが生産システムの中で飼養されており、そのウェルフェアを改善することを目的とした研究は増加している。こうした中で十脚甲殻類に感覚があることが認識されるにつれ、エビのウェルフェアに関して懸念が持たれるように…
西ヨーロッパでは、1980年代からアニマルウェルフェアに関する各国の法制に加え、欧州連合による法制が組み合わされ、畜産動物の福祉について最低限の要件が保証されてきた。しかし、これらの要件は多くの消費者にとって十分なものと…
イタリアでは豚肉の消費量が増加しているが、その一方で、消費者はアニマルウェルフェアと食品の安全との関連性に関してより敏感になっている。アニマルウェルフェアの基準が比較的高くなり、畜産動物のウェルフェアや倫理面の問題に対す…