肉を食べることは、食用動物の道徳的地位と心を否認することにつながる

人々は肉を好んで食べるが、動物を傷つけることには反対している。この葛藤を解決する方法のひとつとして、動物に対する道徳的関心を引き下げ、動物に苦しむ能力があることを否認することがある。 この可能性を検証するため、参加者に乾…

エシカル・ヴィーガニズムとフリー・ライディング

畜産業は動物に膨大な痛みと苦しみを与えている。エシカル・ヴィーガンの多くは、こうした苦しみを減らすため、我々には動物性食品を控える義務があると主張する。 しかし、この主張には課題がある — すなわち、畜産業の規模や構造が…

動物を食べるのを減らす リデューセタリアニズムの擁護

工場畜産によって生産された動物性食品の消費に反対する従来の道徳的主張は、無条件の定言的なものであり、そこで結論として求められているのは、あらゆる動物性食品を食事から排除すること(ヴィーガニズム)、あらゆる動物の肉を排除す…

子どもは大人よりも動物を大切にする 概念の再現と拡張

動物より人間を重視する態度は、米国の子どもでは成人に比べて弱い傾向にあることが最近の心理学研究で示されている。事前登録された本研究では、この知見を概念的に再現し、さらに拡張することを目的とし(参加者412名)、動物より人…

動物の命に対する価値観は子供と大人で異なる

本研究では、動物への配慮がどのように発達するかを明らかにするため、小児期および成人期において動物に対する道徳的配慮の基底にある特性をモデル化した。6~10歳の子ども241名と成人152名を対象として、さまざまな動物を7つ…

動物の賢さを覚えているほど人間は賢いのか

一部の理論的知見によれば、人々は動物の知的能力を過大評価(擬人化)しているとされるが、これとは反対に、人々は動物に心があることを否定しているとする知見もある。しかし、一般にこれまでの研究では、人々の判断についての客観的な…

セカンドクラス・アニマル ドイツの生物学教科書に見られる畜産動物への体系的差別

人間以外の動物に対する捉え方は、人間が動物をどのように利用するかによって異なる。コンパニオンアニマルは擬人化され、高い道徳的地位を与えられているが、畜産動物にそのような配慮が向けられることはあまりない。このような認識の違…

動物の文化 急拡大するその射程

文化とは、他者から学び、そうして繰り返し伝達され、次世代に受け継がれる伝統を形成するすべてのものと定義できる。このような形で文化を継承することは、かつては人間に特有なものだと考えられていたが、過去70年にわたる研究から、…

肉をめぐる行動と政策: 工場畜産と動物虐待の関連は、人獣共通感染症よりも「効果的」である

動物由来の製品を使うことをめぐって人々の態度や行動は変化することがあり、従来の研究では動物への虐待について知らせることによる効果が検討されてきた。しかし、こうしたアプローチによる効果が、工場畜産によって人獣共通感染症が広…

エシカルな卵 合成生物学は世界の鶏卵生産を破壊できるか?

オスの初生雛(ひよこ)は卵の生産における副産物として命を持って生まれてくるが、鶏卵業界ではこれを殺処分することになっており、商品としての卵の生産はこうした慣行によって成り立っている。研究では、遺伝子導入マーカー遺伝子を利…

採卵鶏のオスのヒヨコの殺処分を止める 代替手段と社会意識の現状

健康的で高品質の畜産物に対する需要が高まる一方で、畜産の過程においてもアニマルウェルフェアと持続可能性に配慮した、より倫理的な方法を用いることに社会的な関心が集まっている。採卵鶏のオスの初生雛を殺処分することは、ケージの…

種差別主義から予測される、ステータスの低い人々や社会変革を支持する人々への偏見

動物に対する態度が恵まれない人々に対する態度と相関していることを示した研究は増えつつあり、この関連性は社会的支配のイデオロギーに基づくものとされている。社会的ヒエラルキーと集団間の支配関係を支持する態度は、人間の集団間だ…

共感性と種差別が媒介する、動物実験に対する態度のジェンダーギャップ

動物実験を支持するかどうかについては大きな男女差があり、男性の方が女性よりも動物実験を支持している。しかし、どのような心理的要因がこうした違いに関わっているのかはほとんどわかっていない。共感性・社会的支配志向性*・種差別…

偏見を減らす介入法を使って、動物に対する人々の態度と行動を変える

動物を人間の食料として消費し、医薬品や娯楽のために利用する現状は、環境と人類の健康、アニマルウェルフェアの観点から問題となっている。本研究では、動物に害を与えるような態度や行動を減らすことを目的とした介入策について検討し…

バーチャルリアリティを活用して牛肉の消費に対する意識に影響を与える: 食事介入における共感性の役割

牛肉をはじめとする赤肉の過剰摂取は、がんや心血管疾患のリスク上昇につながっており、健康に対する懸念は世界的に強まっている。赤肉の消費に伴う健康への影響は、2020年には全世界で2850億米ドルに上り、同年における総医療費…

4N から 3N へ スペイン語版カーニズム尺度における信頼性と妥当性の研究

カーニズム(肉食主義)とは、3N(自然だから natural・必要だから necessary・普通だから normal)と呼ばれる理由に基づいて肉食を支持するイデオロギーである。これらのNにはのちに「美味しいから nic…

人間と動物の関係に作用する非人間化のプロセス

非人間化のプロセスに関する研究で確立された知見によれば、他者や外部の集団に人間的な性質を認めるかどうかについて、人々は様々に異なった見方をしており、このことは(人間として扱われない)非人間化された者にしばしば不利な結果を…

肉のパラドックスに関する構造化文献レビュー

多くの人は動物に危害を加えることを避けたいと望んでいるが、ほとんどの人は肉を食べている。理論的には、こうした「肉のパラドックス」は認知的不協和の一種であるが、アニマルウェルフェアと環境に対して及ぼす悪影響は重大である。し…

動物愛護と動物虐待のアピールによって食習慣を変える可能性を探る

現代の西洋社会では、消費者は食肉の元になる動物から切り離されていることが多く、これは動物に対する共感を妨げると同時に、嫌悪感や罪悪感を軽減させることで食肉の消費を促進している。逆に、動物の保護を唱える人々は、食肉の元にな…

ステータスの高い動物と低い動物の間の道徳的分断 人間至上主義の役割

動物に対する人間の優越性を強く信じている人々は、一般に動物に対する道徳的関心が低い傾向にある。しかし、さまざまに異なる種類の動物に関して人々がどう考えるかは、社会における動物の役割にも左右される。例えば、コンパニオンアニ…