動物の供給ルートを把握する株式会社富士経済の調査によれば、ペットの生体購入ルートは、犬の場合、ペットショップが39.7%、ブリーダーからの直接購入が16.5%、この他友人・知人からの譲り受けが24.9%です。 猫の場合、ペットショップが12.0%、ブリーダーからの直接購入は3.1%、拾ってきたが40.7%、友人・知人からの譲り受けが30.5%となっています。 何頭の動物が売買されているかについては、35万とも言われていますが、実態はわかりません。しかし、この数が減っていかない限りは、殺処分数は減りません。 国内で終生飼養が可能な頭数と、供給数のバランスを取らねばなりませんし、命の問題である以上は、供給数が上回ってはならないのです。犬の場合は、ペットショップとブリーダーからの購入と、飼い主個人での繁殖をなくさなければなりません。 猫の場合は、生体販売は当然0にする必要があるとともに、不妊去勢は現時点では必須です。自然繁殖もなくさなくては、不幸な猫は居なくなりません。生体販売の問題点まず、生き物を売買する行為は、生き物をモノのとして見る行為であり、さらにはその動物の本来の生き方を奪う行為であるため、倫理的な問題があります。 さらに、動物保護団体や行政から里親になるのは、その審査が一般的はやや厳しいためハードルが高く、一方ペットショップやブリーダーからの購入は審査はなくとても安易で簡単です。ただ可愛いから、それだけで子犬子猫をすぐにその場で購入することができます。実際、ペットショップで購入した理由(犬オーナー・猫オーナー合わせて:回答者737名)は、気軽に触れ合え見られるからという理由が43.7%とトップとなったそうです。 この気軽に飼育し始められるということが、さらなる深刻な問題を引き起こしています。それが、不適切な飼育です。この不適切な飼育は、殺処分と同じまたはそれ以上に、残酷になりえます。不適切な飼育の問題殺処分をする保健所に来てしまう犬猫は、それまでの人生も悲惨なものであることが多いです。穏やかな死だけ(※二酸化炭素での殺処分や、現在の愛護センターの施設や管理体制は穏やかな死には値していません)が、その動物にとって唯一の救いであることが、供給過多の今の日本ではありえているのです。 適性と知識のない人に所有された動物は、死ぬことと同じくらい、不幸です。ネグレクトや虐待、傷や病気を治療しないなど明らかに不適切な飼育と見られるものは当然ですが、さらには現在の日本人の動物の飼育感覚は非常に低く、動物を綱に繋いでいて平気な人も、小さなスペースや檻に閉じ込めて平気な人も、寒さや暑さで不快な状態であっても気にしない人も、たくさん存在します。 日本ではこのような本来不適切な飼育であっても、現在は許されています。※アニマルライツセンターの飼育基準は、海外の法律を参考にし作成されています。 犬の飼育基準 猫の飼育基準 この今の社会常識自体を疑い、変えていかなくては、一番身近にいる動物である犬猫は相対的に不幸な状態が続きます。 私達が本当に変えなくてはならないのは、「殺処分」という仕組みではなく、動物を簡単に所有することができ、飼育環境の基準のない中で飼育できるという仕組みの方なのです。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article生きたロブスターを真っ二つにした会社が動物保護法違反で有罪に。 Next Articleダウンとフェザー~羽根とられた鳥はあたたかい?~ 2014/06/17